オンラインでもリアルでも、セミナーを開催するときに気になるのは、一体、何人が参加するのか。
セミナーに限らず、研修会や説明会、イベントなど、集客を必要とするものについては、参加者の数が見込めると主催側としては助かりますよね。
もし、参加人数の公式があったなら、とても役立ちます。感覚ではなく事実で構成される算式があると、実践しやすい。しかも、データに基づいたものなら再現性も得られます。
◎ イベント参加人数の公式を発見
そう考えていたときに、イベント参加人数の公式を解説した本がありました。それは、『ファンをはぐくみ事業を成長させる 「コミュニティ」づくりの教科書』(ダイヤモンド社)です。
共著者のおひとりの藤田祐司サンは、イベントの管理・運営サポートサービスを展開するPeatix Japan株式会社の共同創業者であり、取締役でもある方。ボクも、セミナーに参加する際に何度も使ったことのあるサービスです。
この本で紹介された公式は、次のとおり。
「トラフィック(イベントページのアクセス数)」✕「申込率」✕「参加率」=「イベント参加人数」
◎ 公式の3つの要素
① トラフィック
これは、イベントを開催することがいかに多くの人に知られたかを表す指標です。
そもそも認知されなければ、人が集まる訳がありません。それを告知したオンライン上のページにアクセスした数で捉えます。
② 申込率
これは、イベントの開催される告知を見て、申込みを行った人の割合です。
イベントに興味を持つだけではなく、参加しようと決めた人が何人いたかを示します。無料イベントの場合、参加の申込みだけなら、有料イベントに比べて実行しやすい傾向にあります。
③ 参加率
これは、申込みをした人の中で実際にイベントに参加した人の割合です。
リアルでもオンラインでも、何らかの事情によって当日、参加できない人がいます。無料イベントだと、なお顕著です。
これらの要素の掛け合わせによって、イベントに参加する人の数がある程度見込めると説きます。ここまでなら、マーケティングをかじっている人にとっては、聞いたことのあるような感じもするでしょうし、また、目新しさも薄いかもしれません。
ただ、この本の最大の特徴は、、、
◎ 参加率の実際のデータが公開されている
そう、この本の最大の特徴は、公式の3つの要素それぞれについて、Peatixの実際のデータを提示している点です。これはプラットフォームを運営している側だからこそ、膨大なデータから分析できる技。
具体的には、参加率。イベントの参加費が無料か有料なのかによって、実際に参加する人が変動することがデータで示されています。
無料のイベントだと、曜日や開催時刻によって、参加率が変動するというのです。想定できる事項とはいえ、こうして具体的なデータによって明らかにされた以上、誰もこの事実に抗うことはできません。
反対にいえば、有料のイベントにすれば参加率を気にしなくても良い、ということ。公式の3要素のうち1要素はもう考えなくても済みます。これは運用側としてはコントロールすべき事項が減るため、ありがたいことです。
◎ 残り2つの要素への対応
すると残るは、トラフィックと申込率だけ。そのうちトラフィックを増やすには、本書では明言されていませんが、広告が一番手っ取り早い。もちろん、反応がとれる広告である必要があります。
一方、申込率は、本書によればイベントのタイトルによって決まるといいます。ダイレクト・レスポンス・マーケティングを学び、かつ、実践してきた者としては、これはもう、こちらの領域です。
つまり、イベントを有料にすると決めた瞬間に、参加人数の公式はマーケティングの話になっていくのです。心強い説明を受けました。
今、ちょっとしたイベントを検討しているため、今回の本の内容を全面的に活用していこうと考えています。どうぞ、お楽しみに。