Accounting

財務報告の流儀 Vol.029 新生銀行、トーマツ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

 文豪ゲーテが開示責任者なら、財務報告の流儀を求めたことでしょう。「一つのことが万人にあてはまりはしない。めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ」と話していたのだから。

 そこで、KAM(監査上の主要な検討事項)を早期適用した事例から、財務報告のあり方について考えていく連載が、この「財務報告の流儀」シリーズ。今回は、次の事例を取り上げていきます。ちなみに、今回の解説から、金融・保険関連の上場企業を取り扱っていきます。

(1)事例

証券コード 8303

会社名 ㈱新生銀行

業種 銀行業

開示書類 有価証券報告書

決算日 2020年3月31日

監査法人 有限責任監査法人トーマツ

会計方式 日本基準

(2)早期適用によるKAM

連結財務諸表に対するKAM

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による貸出金等の信用リスクへの影響の評価
  • 利息返還損失引当金の評価
  • プロジェクトファイナンスに係る貸倒引当金の評価

個別財務諸表に対するKAM

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による貸出金等の信用リスクへの影響の評価
  • プロジェクトファイナンスに係る貸倒引当金の評価

(いずれも連結のKAMと同一内容であるため、記載を省略している)

今回の事例から学ぶべきポイントは、次の2点です。

  • 企業の開示と記載の一致率が高いKAMは本当に意味がないのか
  • KAMに記載された未公表の財務数値との付き合い方

 同社の有価証券報告書をご準備いただき、実際の開示を確認しながら、財務報告のあり方を学んでいきましょう。いかに財務報告を良くしていくかに真摯に向き合っている人だけ、この先にお進みください。 (注:無料の「財務報告の流儀(お試し版)」はこちらから。)

 

P.S.

この解説がベースになった書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』(同文舘出版)はこちら。

 

 

収益認識で履行義務を「充足」する意味がわかる概念前のページ

財務報告の流儀 Vol.030 三菱UFJフィナンシャル・グループ、トーマツ次のページ

関連記事

  1. Accounting

    週刊経営財務が認めた、後発事象の論点

    後発事象の論点に、あの会計専門誌が関心を寄せています。その会計専門誌…

  2. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.049 花王、トーマツ

    文豪ゲーテが開示責任者なら、自社に固有の情報を記載したでしょう。「一…

  3. Accounting

    ボクは、KAMバカ

    こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。…

  4. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.007 大陽日酸、EY新日本

     文豪ゲーテが開示責任者だったなら、財務報告の流儀を求めたことでしょ…

  5. Accounting

    【緊急開催】2023年3月期の有報サステナビリティ開示の書き方講座

    もう半月もすれば、2023年3月期の決算の時期に突入しますね。当年度…

  6. Accounting

    ボクがブログで有料コンテンツを掲載し始めた理由

    YouTubeの「チャンネルメンバーシップ」はご存知でしょうか。Yo…

  1. FSFD

    ついに決定!SSBJ基準、2025年3月上旬公表へ
  2. Accounting

    『「経理」の本分』から財務報告の本質を学ぶ
  3. Accounting

    会計の文脈で捉える、気候変動の影響
  4. Accounting

    記述情報に関するブログ記事をまとめてみた
  5. FSFD

    電力大手の最新サイバーセキュリティ開示をISSB基準で深掘り
PAGE TOP