こんにちは、企業のKAM対応スペシャルの竹村純也です。
先日、知人から、ボクの本『ダイアローグ・ディスクロージャー』(同文舘出版)を紹介している雑誌を教えてもらいました。それも、会計や監査とは関係のない専門誌。一体、何だったでしょうか。
月刊ガバナンス
それは、「月刊ガバナンス」の2020年10月号です。このガバナンスは、コーポレート・ガバナンスではありません。地方自治のガバナンスを表しています。地域づくりに関わる人々に向けた自治総合情報誌です。
発行しているのは、株式会社ぎょうせい。ボクが以前に在職していた仰星(ぎょうせい)監査法人と音は同じでも、意味が違います。こちらの会社は、地方自治、法令・判例、自治体関連を中心に、実務書籍を出版しているところ。
管理系の仕事に携わる方々にとっては、加除式の図書のほうがお馴染みかもしれませんね。あとは、法令関係の図書など。ジャンルとしては、法務や総務のほかに、税務も取り扱っています。
書籍の紹介コーナー
ボクの本が紹介されたのは、「リーダーズ・ライブラリ」という連載の箇所。読者に関連した書籍を紹介するコーナーです。掲載号では、4冊が取り上げられていました。仕事術、1on1、非正規公務員に並んで、財務報告です。
しかし、この雑誌の読者層は、経理関係者ではありません。また、企業の財務報告に携わる方々といえば上場企業がメインのため、地方自治ともジャンルが異なります。どのように紹介されているのかに、興味シンシン。
紹介文を作成された方は、どうやら説明の仕方に着目したようです。紹介文の最後には、次の記載がありました。
「議会や住民から財務報告を求められる自治体職員も参考にできそうだ。」
突き詰めると、伝え方の本
この紹介文は、嬉しかったです。なぜなら、『ダイアローグ・ディスクロージャー』は突き詰めると、どう伝えるかを解説したものだからです。
この本は、企業が説明責任を果たすために、有価証券報告書の作成プロセスに経営者を巻き込むことを提案しています。そのために、KAM(監査上の主要な検討事項)が利用できると説いているのです。
自治運営を專門とした雑誌たる所以が垣間見えた気がしました。説明責任を果たすことに気づいていただけたのですからね。財務報告の本だからといって掲載しないのではなく、財務報告の本から何を読み取って紹介するのか、という姿勢が素晴らしい。
財務報告ライティング
思い出すのは、かつてのブログで「財務報告ライティング」というシリーズ投稿を行っていたこと。文章作成を手助けしようと、ライティングのTipsを解説していました。やがて、構想が広がりすぎてしまったため、休憩したままの状態。
企業の開示では、ひな形が与えられない中で、自ら作文していく機会が増えています。文章を書くことに慣れているなら苦もなく上手に言葉をつむぐこともできるでしょう。しかし、不慣れな場合には、一行を書くにも大変なこと。
かつてのボクも同じでした。今でこそ単行本を何冊も書いていますが、昔は文章を書くことが苦手でした。200文字の感想を書くのにも四苦八苦していたほど。
しかし、文章を書く機会が増えたときに、さまざまなスキルやノウハウ、テクニックを学んでいきました。本で学んだものもあれば、セミナーで身につけたものもあります。実践の場としても、対外発表するような執筆もあれば、当時に所属していた事務所内に向けた告知文などもあります。その結果、文章を書くことに抵抗がなくなっていました。
ライティングは、財務報告にあたっても、ますます重要度を高めていきます。コーポレート・ガバナンスが効いている証拠としても、財務報告におけるライティングは開示関係者にとっての必須のスキルと断言できます。