Accounting

財務報告の流儀 Vol.052 AGC、あずさ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

文豪ゲーテが開示責任者なら、自社に固有の情報を記載したでしょう。「一つのことが万人にあてはまりはしない。めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ」と話していたのですから。

そこで、早期適用されたKAM(監査上の主要な検討事項)の事例から、財務報告のあり方を考える連載が、この「財務報告の流儀」シリーズ。現在、2020年12月期の事例を取り上げています。

今回のポイントは、記載に特徴があるKAMです。

 

(1)事例

  • 証券コード 5201
  • 会社名 AGC㈱
  • 業種 ガラス・土石製品
  • 開示書類 有価証券報告書
  • 決算日 2020年12月31日
  • 監査法人 有限責任あずさ監査法人
  • 会計方式 IFRS

 

(2)早期適用によるKAM

連結財務諸表の監査報告書に記載されたKAM

  • 欧州自動車用ガラス事業の有形固定資産の減損テストにおける使用価値の見積りの合理性
  • ディスプレイ用特殊ガラス等の生産設備に係る有形固定資産の減損テストにおける使用価値の見積りの合理性

個別財務諸表の監査報告書に記載されたKAM

  • AGC Glass Europe S.A.に対する投資の評価の合理性
  • ディスプレイ用特殊ガラス等の生産設備に係る有形固定資産の減損損失の認識の要否の判定における将来キャッシュ・フローの見積りの合理性

(連結のKAMと同一内容ではあるが、記載の省略を適用していない)

 

(3)今回の事例から学ぶべきポイント

  • 企業と監査人とで特に重要な項目が揃っている開示
  • 他のKAM事例にはない特徴的な記載
  • 1つ目のKAMとは異なる記載の仕方

ここから先の解説は、野次馬的に重箱の底を突くような人には向いていないため、有料コンテンツとしてハードルを設けています。いかに財務報告を良くしていくかについて真摯に向き合っている人に限り、ご購読ください。

(注)2020年3月期の早期適用事例の分析については、書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』という形でまとめております。

 

 

今、読むべき書評-見積り開示会計基準への対応-前のページ

財務報告の流儀 Vol.053 ピジョン、あらた次のページ

関連記事

  1. Accounting

    横並び意識が強い会社の、KAMとの付き合い方

    このブログで、マジックに参加してみませんか。所要時間は、3分もかから…

  2. Accounting

    コラム「日本企業が知らない『気候変動の会計』」を寄稿しました

    気候変動の影響を考慮した会計と監査。2021年12月期では、ほぼすべ…

  3. Accounting

    KAM適用後の、経営者と投資家の対話の活用法

    最近、珍しく肩が凝っていました。もしかすると、花粉症「風」の症状のた…

  4. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.015 富士通、EY新日本

     文豪ゲーテが開示責任者なら、財務報告の流儀を求めたことでしょう。「…

  5. Accounting

    記述情報のコンテンツ提供で新しい可能性

    先日から一人、騒いでいる記述情報の件の続き。記述情報とは、3月末決算…

  6. Accounting

    のれんの償却・非償却論争の原因

    ふと手にした本から、思わぬ気づきを得ることがあります。今回、得た気づ…

  1. Accounting

    見積り開示会計基準への対応にお困りなら、検討シートを差し上げます
  2. Accounting

    Amazonの「会計学」ランキングで、3位
  3. Accounting

    新刊の見本が届きました!
  4. FSFD

    一体、何がSSBJ基準の「結論の背景」に書き込まれるのか
  5. Accounting

    SNSで大反響!負債計上に焦点を当てた新リース会計基準セミナー開催決定
PAGE TOP