Accounting

本は「はじめに」が9割

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

聞いてください。ニュースです。

昨日の2021年11月10日、ついに、単行本の原稿を書き上げました。専門っぽくいえば、「脱稿」しました。

いや~、ここまでの道のりは、短いようで、長かった。さかのぼってみると、企画のお話しをいただいたのが、2020年9月の頃。ようやく、原稿をお渡しできました。

 

記念すべき脱稿日

この間、ずっと執筆作業をしていた訳ではありません。実際にワープロで文字を打ち込み始めたのは、今年の9月に入ってからのため、2ヶ月程度で完成。

しかし、キーパンチするに至るまで、素材集めに時間をかけていたので、それを合わせた実質作業となると、それどころではありません。

昨日の2021年11月10日という日は、一粒万倍日。一粒の籾(もみ)が何万倍にもなって返ってくるという縁起の良い日。この原稿が大きく実るために、なんとか出版社への提出を間に合わせようと頑張りました。まさに、身を削る思いという言葉のとおり、20時前には倒れるように寝込んでしまいました。

ただ、提出した原稿は、本文と図表だけ。「はじめに」や「おわりに」などは、もう少し時間を待ってもらうようお願いしました。商業出版では、これらが極めて重要だから。

ホラ、あなたが、書店で気になる本を見つけたときに、「はじめに」や目次などに目を通して買うかどうかを決定するでしょ。ここがショボいと買ってもらえません。これは商業出版にとって致命的。なので、ボクは、本文とは別の意味で、「はじめに」や「おわりに」に力を入れています。

 

「はじめに」には「寄り添いマップ」

そんな「はじめに」を書くにあたって、今回は「寄り添いマップ3.0」を使ってみました。その結果を写したのが、今回のブログ記事の写真。

この開発者は、エンパシーライティングを生み出した中野巧サン。このエンパシーライティングがなければ、ボクの執筆活動はないに等しいほどに、活用しまくっているツール。

その中野巧サンによる『稼ぐ人の「超速」文章術』に、「寄り添いマップ3.0」が紹介されています。ボクが講座で学んだときはもっとシンプルな形だったため、まだ1.0の頃だったのかもしれません。

 

アイデアは量次第

で、書籍の解説に沿って、付箋に書き出していきます。ちなみに、ボクはいつもB5サイズの無地のノートを使っています。また、付箋は50ミリ×7.5ミリという小さなもの。これくらい小さい方が、沢山、貼れますからね。

このマップに、付箋を貼るところは、5箇所。書籍では、それぞれに3、4枚の付箋を貼ったイメージ図が掲載されています。しかし、今日は思いっきりやってやろうと、各10枚、計50枚の付箋を貼り付けやりましたよ。おりゃー、って感じで。

ちょうど今朝、読み返していたコピーライティングの本に影響されたかもしれません。なんでも、箇条書きの21のテンプレートに沿ってそれぞれ5個ずつのアイデアを出せば、105の中から選べる、とのこと。プロはそこまでやるのです。

ボクは、寄り添いマップを使ったときに、それぞれ3つ程度しかアイデアを出したことがありませんでした。そのためか、正直、いまいちピンと来ていませんでした。

しかし、今回、50枚のアイデアの山から選ぶ体験をすると、効果は抜群。今まで数枚程度の貼り付けとは違って、ここまで枚数があると、コアとなる事項も選びやすいですね。やはり、アイデアは量に勝るものはありません。

 

文章は素材が9割

執筆も同じで、書き始める前にいかに素材を集めておくかが鍵。書き進めながら調べ物をすると、ライティングの乗りは止まるわ、追加で集めた素材によって結論が変わりかねないわ、で不効率なこと極まりない。

実は、寄り添いマップを使う前に、頭の中で考えていた「はじめに」の構想が浮かんでいました。これはいいと思っていたのですが、寄り添いマップで得られたコアの部分と比べると、読者に寄り添っていない感が満載。あのまま突き進まなくて、ホント、良かったです。

おかげで、いい感じで「はじめに」を書けそうです。前にもブログで紹介した記憶がありますが、ある先輩の会計士サンから、「竹村さんの本の「はじめに」を読むと、つい、買ってしまうんだよ」とおっしゃっていただいたことがあります。嬉しい一言です。

今回の単行本の原稿は、なんとか11月中にお渡しできたため、発売は期末決算の前には間に合うかと思います。この時期に出す意義のある、渾身の一冊と自負しています。ぜひ、お楽しみに。

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