Accounting

社長の本当の姿勢を読み取ることができる、たった一行の質問

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

夏休み。比較的時間の余裕があることから、いろいろと取り組まれているかもしれません。

もちろん、ゆっくりと休むこともあるでしょうし、自己研鑽に励むこともあるでしょう。家族や仲間と楽しい時間を過ごすことも素敵な取り組みですよね。

ボクはといえば、好きなことに集中できました。物事をしらべたり、それを体系的にまとめたりと。なんだか普段と代わり映えのない時間を過ごしています。

そんな中、ふと手にした書籍で、衝撃的な一行に出会いました。この一行に、この本のすべてが凝縮されているかのように感じたほど。

その本とは、2022年7月に発売されたばかりの『「社長」の本分-社会的価値を創出する思考力と実行力』。著者は、公認会計士の武田雄治サン。決算早期化やIFRSなど、さまざまな分野で活躍している方です。そんな中から、「黒字社長塾」という経営者向けのコンサルタントという切り口で執筆されています。 

ちなみに、武田雄治サンは、『「社長」の本分』の前に『「経理」の本分』という本も書いています。そのため、2022年8月に出版元の中央経済社さんが日経新聞に広告を出したときには、2冊揃って紹介されました。そうそう、ボクも、2022年7月に中央経済社さんから発売となった2冊が、同じ広告で取り上げられました。面白い縁を感じます。それはさておき。

この『「社長」の本分』には、こんな一行が記されています。

社長は、経営に困った時に経理部に聞きに行くことがあるだろうか。(P.181)

この一行が目に入ったときに浮かんだのは、社長が営業部門とばかり話をしている光景です。これは実在のものではなく、イメージです。それにもかかわらず、この光景がありありと、リアリティのあるワンシーンとして強く胸に突き刺さりました。

そのような社長は、経理をはじめとした管理部門をとかく「「管理部門は収益を生み出さないコストセンターだ」と軽視しがち。しかし、「コストセンター」という専門用語を理解していません。

「コストセンター」とは、発生した原価や費用を集計する単位を意味します。そのため、コストが発生していれば、営業部門もコストセンターに該当します。収益を獲得するかどうかは、コストセンターとしての定義に関係ないのです。

そうじゃなくて、「プロフィットセンター」だと反論するかもしれません。「プロフィットセンター」とは、コストだけではなく、収益との差引としての利益を算定する単位だと。しかし、管理部門も一定の機能を提供しています。それに価格を設定していないだけ。管理会計を徹底するなら、そこまで考慮すべきでしょう。

このように、「コストセンター」は管理部門を軽視する意味合いで用いているだけ。そのような姿勢の社長は、管理部門への「投資」という発想がない。最低限、いや、それ以下の報酬では、得られる効果も相応になります。つまり、社長自身の姿勢によって、管理部門が十分な機能を発揮できないのです。

だからこそ、決して経理部に悩みごとを相談することはない。そんな光景が一瞬のうちに思い浮かびましたよ。

もちろん、経理をはじめとした管理部門は、社長が相談に来るほどに、自らの提供価値を高めておく必要もあります。それを経理部で説明したものが、前著の『「経理」の本分』。そこでは、「情報倉庫業」や「情報製造業」から「情報サービス業」へと進化することが説かれています。

ここまでの進化を遂げるほどに、社長は管理部門に投資しているか。社長自身の相談相手になれるほどに、管理部門にも教育や訓練の機会を提供しているか。そんな想いまで受け取ったのは、深読みしすぎでしょうか。

あの一行を質問してみるだけで、その企業の多くのことが理解できるでしょう。すごい一行に出会いました。恐るべし、武田サン。

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