Accounting

監査役に向けた、平時の会計不正対応セミナー

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

監査役さんのお悩み。そのひとつに、会計不正への対応が挙げられるのではないでしょうか。

監査役は、業務監査の一環として内部統制の有効性を監視します。しかし、経営者不正となると、その内部統制が無視されます。2023年改正予定の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の実施基準」には、次の文言の追加が提案されています。


監査役等は、内部統制の整備及び運用に関して、経営者が不当な目的のために内部統制を無視ないし無効ならしめることに留意することが重要である。監査役等は、その役割・責務を実効的に果たすために、内部監査人や監査人等と連携し、能動的に情報を入手することが重要である。

こうした状況を踏まえて、会計不正の対応も含めた業務監査の実施を計画していることでしょう。しかし、ここで壁にぶち当たるかもしれません。「一体、何を行えば良いのだろうか」と。

会計不正が疑われる場合には、不正調査の手法が役立ちます。ところが、そもそも会計不正が生じていない場合やその疑いがない場合には、この手法を活用することが難しいのも現実。

そこで、2023年2月に、平時の会計不正対応についてのセミナーを開催します。主催は、なんと、日本監査役協会サン。そう、監査役だけを対象としたセミナーです。

 

新しくなった「仮説検証アプローチ・クイックバージョン2.0」

今から8年も前に、共著『会計不正~平時における監査役の対応』を出版しました。そこでは、「仮説検証アプローチ・クイックバージョン」というツールを紹介しました。これは、監査役が平時において不正調査の手法である「仮説検証アプローチ」を活用できるようにボクが開発したもの。

これまで、監査役を含む企業の関係者を対象とした会計不正の対応セミナーを行った際には、必ずこれを解説してきました。7年も説明を続けているため、もっとブラッシュアップできる余地があるのではないかと考え始めてもいました。

監査役の不正対応の書籍で披露したこのツールについて、日本監査役協会さんで解説するなら、もっと使いやすいものにしたい。そんな想いで、今回、ツールの構成を見直しました。その結果、誕生したのが「仮説検証アプローチ・クイックバージョン2.0」です。

 

36.3%の軽量化で、サクサクと活用

当初のツールを用いるときに、ロジックで詰めていく、いわゆる左脳系の要素に加えて、空想から創造性を発揮していく、いわゆる右脳系の要素もいくつか含まれていました。右脳系の要素に慣れていない場合に、困惑したり、混乱したりと、スムーズに活用できないおそれもありました。

できるだけサクサクと用いることができるように、右脳系の要素は最小限に留めるとともに、左脳系の要素についても穴埋め形式に変更しました。こうして、「平時における会計不正の検証手続」のステップを極限まで削ぎ落としたのです。

具体的には、当初のツールでは、7ステップ、また、7ステップ目は5つのサブステップの合計11ステップであったのに対して、「仮説検証アプローチ・クイックバージョン2.0」では、文字どおり7ステップ。36.3%の軽量化を達成しました。

 

体系的に学べる3時間

ぜひとも試してもらいたいツールに仕上がったので、早く披露したい気持ちでいっぱい。日本監査役協会サンでのセミナーが、本邦初公開の場ですからね。当日の体験ワークの時間が待ち遠しい。

その他にも、書籍で紹介している「業務プロセスの単純化プロセス」について書籍では解説していない活用方法であったり、セミナーでしか紹介していない「フラウド・キャンバス」との関連づけであったりと、平時の不正対応が体系的に学べる3時間です。後日の動画配信はないため、この機会をお見逃しなく。

そうそう、当日は博多での会場開催ではあるものの、同時に、ライブ配信も行われます。現地会場にお越しになれない場合にも、ご参加が可能です。ただし、会場でのご参加は20名、ライブ配信は100名に限られております。お申込順となっておりますので、いますぐ、お席を確保してください。

 

P.S

研修事務局のご担当者のご協力によって、興味深い実験にもご参加いただけそうです。聞きっぱなしで終わらないセミナーを受講するなら、こちら。

 

 

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