FSFD

2023年公表の「気候会計・監査ハイブリッド評価」

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

企業による気候関連の開示状況は、評価されています。しかも、その企業の監査人の対応も含めて。

この評価を公表しているのは、クライメイト・アクション100+です。これは、世界最大の温室効果ガス排出企業が気候変動に対して必要な行動をとることを確認するための投資家主導のイニシアティブです。気候変動に関するアジア投資家グループ(AIGCC)、セレス、気候変動に関する投資家グループ(IGCC)、気候変動に関する機関投資家グループ(IIGCC)、責任投資原則(PRI)という5つの投資家ネットワークによって運営されています。これらが運用する資金額が巨額なため、企業としてもその対応には慎重にならざるを得ません。

そのクライメイト・アクション100+が開発したものに、「ネット・ゼロ企業ベンチマーク2.0」があります。これに基づき、クライメイト・アクション100+が掲げる3つの目標(排出削減、ガバナンス、ネット・ゼロ移行計画の開示と実施)に対する対象企業のパフォーマンスを評価していきます。この中に、「気候会計・監査ハイブリッド評価」が含まれています。ここに、企業による気候関連の開示状況が評価されているのです。

その評価結果の最新版が、2023年10月に公表されました。そこで、今回の特別記事では、「気候会計・監査ハイブリッド評価」の内容を解説します。これを読むと、世界の企業が気候変動の影響を考慮した会計実務の進展状況が理解できるでしょう。

 

2023年12月のセミナー「サステナビリティ開示の最前線」前のページ

新セミナー、内部監査へのKAM活用法次のページ

関連記事

  1. FSFD

    気候開示に取り組むには、TCFDか、IFRSのS2基準か

    2023年7月6日に、金融安定理事会は、TCFDの作業が完了したこと…

  2. FSFD

    自然関連の財務情報開示の新展開:IFRS財団とTNFDの覚書が意味するもの

    2025年4月9日、IFRS財団とTNFD(自然関連財務情報開示タス…

  3. FSFD

    ISSBのS2基準をクリアしている、内部炭素価格の海外事例

    ISSBのS2基準で開示が要求されている事項のひとつに、「内部炭素価…

  4. FSFD

    シングル・マテリアリティという名の罠:ISSB・SSBJ基準に隠された二重構造の真実

    企業のサステナビリティ開示を取り巻く環境には、表面的な理解と実際の制…

  5. FSFD

    GHGプロトコル大改定の影響を最新情報でフォローアップ

    気候関連の開示では、GHG(温室効果ガス)排出量の測定と報告が不可欠…

  6. FSFD

    サステナビリティ開示の国内基準に対する金融庁の判断

    サステナビリティ開示の国内基準の開発が予想外の展開を見せています。S…

  1. Accounting

    生成AIで読み解く!KAM前期比較の新たな可能性とは?
  2. Accounting

    【セミナー】棚卸資産の不正事例分析と平時対応
  3. Accounting

    監査役に向けた、平時の会計不正対応セミナー
  4. Accounting

    『「のれんの減損」の実務プロセス』の第6章を語る
  5. FSFD

    ESRSとISSB基準:サステナビリティ開示が切り拓く競争優位の新次元
PAGE TOP