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理不尽な上司には「法廷で会おう」

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

 著作権。いわば、モノを創り出すことに対して尊重するのは当然。これが、ボクの考え方。

 著作権法という法律でも保護されているはずのことなので、ボクの考え方だけが変わっている蓋然性は低い。一部の国や地域でそれが保護されていない状況があったとしても、少なくともこの日本では守られているはず。そう考えていたのです。

 しかし、同じ日本でも、創作物の権利を横取りするようなことが求められています。今日、知人から、そんな話を聞きました。

 知人は、物書きをしています。その執筆内容は、とある分野の実務上のノウハウ。会社に所属しているものの、その会社にはそんなノウハウはないため、知人が生み出した内容を書いているとのこと。

 その執筆は、当然にプライベートの時間に行っています。休日はもちろんのこと、平日の夜も使っています。飲み会も断り、また、ゴルフにも行かず、時間を捻出して書いているのです。そんな背景もあるため、知人が書いた出版物の表紙の著者名は、当然、知人の個人名のみ。著作権的にも当たり前。

 ところが、会社の一部の上司は、それを営業活動に使いたい。だから、会社名の併記を求めているというのです。

 いや〜、そんな魂胆なら、上司が頭を下げてお願いすべき。にもかかわらず、あたかも当然のように、そんな要求を突きつけてくるといいます。

 知人は、その上司が人としてどうかと思いながらも、ある執筆のときに、会社名を併記すると持ちかけます。これでもう訳のわからない要求は来ないと安心していたら、さらに理不尽な要求を突きつけられます。

「会社名を併記するといっても、小さな字で書かれては、会社のアピールにならない。個人名と同じ大きさの文字で会社名を書いてもらわないと」

 いやいやいや、同じ大きさの文字だと、それは共著や編著のレベル。一文字も書くつもりもないのに、あり得ない要求。もっとも、監訳や監修の人の名前が大きなサイズの本もあるのは事実。しかし、それは、大きな文字の人や組織のほうが、知名度が高いため。今回の件は、それとは逆。

 そもそも、表紙のデザインは、出版社側が考えるもの。併記する会社名のサイズなんて誰一人指示するものじゃない。ここまでくると、嫌がらせの領域。

 おっそろしいですねぇ~、部下が汗をかいた成果を搾取することしか頭にないようです。思わず「それ、日本での話? 2019年の話?」と聞き返したほど。残念なことに、2019年の日本で起きた出来事。

 著作権法としても十分に勝てるでしょうし(詳しくは弁護士サンに聞いてね)、そこまでの理不尽さはパワハラのレベル。何か言ってくるなら、「法廷で会おう」の一言で終わり。ボクの知っている弁護士サンを紹介します。

 まあ、そこまで強硬に行かないなら、無視するのが一番。理屈じゃなく感情を一方的にぶつけてくる相手に構っている暇はない。その時間を執筆活動に充てたほうが、社会にとってプラス。

 とはいっても、この怒りは何とか収まらないものか。ここで役立つのが、認知科学者の苫米地英人サンによる『「感情」の解剖図鑑』(誠文堂新光社)。怒りをコントロールする方法が紹介されています。そのひとつが、相手への復讐方法を考えること。もちろん、考えるだけで、実行する必要はありません。

 なんでも、脳の働きという観点からは、思考すると怒りという感情を弱められると言います。そこで、理不尽なことを要求する上司に対して、どうすれば最も効果的な復讐となるかを考えるのです。手が込めば込むほど頭を使うため、より良いとのこと。すると、やがては怒りの感情が静まっていくと説きます。

 そういう意味では、その理不尽な要求を書面にして提出してもらうことで、法廷での提出書面にできる方法が考えられます。書面が難しいなら、もう一度、それを説明してもらうことで、録音しておくこともできます。今なら動画で撮影しておくこともできますね。そんなことを考えていくと、ほら、あのときの感情が薄らいでいきます。

 ボクが思うに、暗い世界に潜り込んだ次には、そこから脱するのが良い。こうして復讐方法を考えつくした後に「さあ、立ち止まらずに進んでいこう」とリセットするのです。つい、さっきまでネガティブなことを考えていた自分とはサヨナラして、気分を晴らせます。今度は、どっちに向かって進んでいきますか。

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