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盛り上げ、つなげる「飲み会2.0」

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

この間、違う監査法人に所属している会計士が集まる懇親会に参加してきました。すでに顔見知りがいる人もいれば、あまり知った顔がいない人もいます。そうなると、顔見知りだけで盛り上がりがち。

 そんなとき、所属する事務所で組織学習をしていたときのことを思い出しました。それは、ボクが選んだ本をシャッフルして参加者に渡したうえで、参加者は初めて手にする本からエッセンスを掴み取る、というワークショップ。

 ボクが用意してきた本は、そのワークショップのテーマに即してチョイスしたもの。あまり偏らないように気をつけていたものの、結果的には、ある意味で偏りまくり。

 具体的には、佐藤航陽サンによる『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』、佐藤留美サンによる『仕事2.0 人生100年時代の変身力』、明石ガクトさんによる『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』(以上、幻冬舎)が含まれていました。これらは、幻冬舎の箕輪厚介サンが編集長を務めるNewsPicks Bookから発刊された本。

 8冊用意したうち、タイトルに「2.0」がついた本が3冊もありました。あまりにも「2.0」とする本が並んだため、参加者のひとりが「竹村さん、2.0って今、流行っているのですか」と質問があったほど。

 この「2.0」とは、今までのそれとは違うことを意味する言葉。今までの「お金」とは違ったり、今までの「仕事」とは違ったり、あるいは、今までの「動画」とは違ったりと、新しい次元にシフトしていることを意味して付加される言葉。そのワークショップでも、従来とは違った発想で取り組もうよ、というメッセージがあったため、たまたま「2.0」本がチョイスされたというワケ。

 で、思うのは、懇親会もそろそろ新しい次元にシフトしたほうがいいってこと。いわゆる「飲み会2.0」。顔見知りが多い人はそれぞれと話をすればある程度盛り上げることができます。しかし、顔見知りが少ない人は放おっておかれるため、その場は明らかに居心地が悪すぎ。

 このように居心地が悪くなるのは、その場に顔見知りが少ない、あるいは、いないため。だから、顔見知りが増える環境にすれば問題は解決できます。ただ、ここでいう「顔見知り」とは、単にその人を知っている程度では何の意味もありません。なぜなら、それでは話が弾まないから。

 じゃあ、なぜ話が弾むかというと、相手のことを知っているから。顔見知りではない人と話が弾まないのは、その相手の情報を何も知らないのが原因。もちろん、相手の情報をそれなりに知っていても、その人に関心がなければ話は弾みません。それは感情の問題のため、介入するにも限度があります。

 そうでないのであれば、相手の情報を知っている環境を作ればよい。すると、それがきっかけで話が弾むことが期待できます。そこで活用できるのが、ファシリテーションのスキル。

 ファシリテーションとは、会議やワークショップといった場で話しやすい環境を作るとともに、進行を促していく役割のこと。その役割を果たす人は、ファシリテーターと呼ばれます。

 会議やワークショップなどでファシリテーターの使命は、参加者の話を活性化させること。他者の話を聞くことで気づきを得られると、新たな発想や行動に繋がります。それが従来のやり方を変えるイノベーションとなります。

 懇親会や飲み会でいうならファシリテーターは、参加者の話を活性化させることによって、人的なつながりを促進したり、気づきから新しい取り組みを生み出したりしていくのです。それができるなら、従来の飲み会とは次元が変わります。そう、「飲み会2.0」。

 まずは、冒頭で周りに知らない人がいない環境を作ること。グッド・アンド・ニューといったエクササイズもあれば、名前をフルネームで覚えて繋げていくエクササイズもあります。いわゆるアイスブレイク的なエクササイズを最初に行っておくことで、その場の緊張を緩めることができるのです。

 その次に、何かしらのワークを実施していきます。それを周りの人と共有していくことで、相手のことをより深く知ることができるからです。場の途中でこうしたワークを挟み込むと、話のネタにつまったときに参加者は新しいネタを得られるため、話をまた弾ませるきっかけが得られます。

 最後に、別のワークを通して、周りだけでなく、その場のみんなとワークの結果や感想をシェアしていくことで、全体としてつながり感を生み出すことができます。

 一度、そういう運営の懇親会に参加したことがあったのですが、なるほど、ファシリテーションは飲み会にも使えるスキルなんだと感心した覚えがあります。先日の懇親会も、ボクにファシリテーターを任せてくれたら、そのとき以上に場を盛り上げ、また、参加者をつなげることができたのに。

 場を盛り上げたい懇親会や飲み会があるときには、ファシリテーターにご一報ください。きっと、あなたが思っている以上の成果が得られるハズ。そんな「飲み会2.0」にシフトしませんか。

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