最近、2つのコミュニケーションの場に遭遇しました。その2つがあまりにもかけ離れていることが、客観的にみて興味深く感じています。ここから、コミュニケーションで大事なことが理解できるのです。
ひとつのコミュニケーションの場は、あるプロジェクトでのこと。これをプロジェクトAと呼ぶことにしましょう。ここにはボクは、数年前から参加しています。一部、入れ替わりはあるものの、基本的には同じメンバーで運営されています。
プロジェクトAの性質上、基本的には、1年に1度しか会うことのない仲。普段、一同に集まることはない。個々に連絡を取り合っても、頻繁ではない。つまり、普段のコミュニケーションがないのです。
ところが、プロジェクトAは長年続いているため、それぞれのメンバーは、その中でどう考え、また、動けば良いのかを十分に理解しています。だから、ごちゃごちゃ言わなくても、互いの考えていることが伝わるのです。そこでのコミュニケーションは、最低限の言葉で済む。
コミュニケーションが円滑な理由は、メンバー間で関係性ができているため。昨日のブログ「ダン・ケネディから学んだツーステップ・マーケティング」で伝えたとおり、関係性ができていると、コミュニケーションはうまく流れていくのです。
もちろん、長年続いているために、プロジェクトの内容について熟知していることもコミュニケーションが円滑な理由のひとつ。とはいえ、一部のメンバーは入れ替えがあり、また、会う頻度も少ないのに円滑なコミュニケーションが実現できているのは、ひとえにメンバー間の関係性ができているから。
これに対して、もうひとつのコミュニケーションの場は、別のプロジェクトでのやりとり。これをプロジェクトBと呼ぶことにしましょう。このプロジェクトは、数年でメンバーが入れ替わります。定期的に集まるだけではなく、集まっていないときにも連絡は頻繁に行われています。
今回、ちょうどメンバーが集まらない時期に、メンバーの一部に入れ替わりがありました。これ自体は何も珍しくない。むしろ、想定の範囲内のこと。
そんな中、新規メンバーから、少し込み入った内容のメールが発信されます。このメールが、既存メンバーに対する誤解を生み出したのです。新規メンバーの説明が後手に回ったために、既存メンバーの怒りはさらに増していく。慌てて火消しに走りましたよ。
プロジェクトBが炎上したのは、新規メンバーと既存メンバーとの間に関係性ができていなかったから。関係性がないために、既存メンバーは新規メンバーのメールの行間を読むことができなかった。悪い憶測が膨らんだ結果、炎上してしまったのです。
このように、コミュニケーションには関係性が大事。まずは関係性を作り、次に関係性を育てていく。この順番を間違えてはダメ。
たまに、コミュニケーションができていない人たちを見かけます。そんな人たちの中には、「自分が絶対的に正しくて、相手が100%間違っている」と思い込んでいる人がいます。士業や専門家とかでね。で、たいがいは、話すときの姿勢や態度が悪い。一言で言えば、見るからに失礼なやつ。
そんな悪い姿勢や態度でいるのは、関係性を作る視点が欠けているため。一方的なコミュニケーションしか考えていない。それでは、相手とコミュニケーションがとれる訳がない。その結果、その人が望む状態も得られないでいるのです。自ら、望まない世界を選んでいることに気づいていない。
なぜ、気づかないかといえば、あまりにも失礼なため、注意してくれる人が周りにいないから。注意してくれないどころか、どんどんと離れていく。周りにいるのは、失礼な人たちだらけ。ますます失礼であることに気づけません。
コミュニケーションをとりたいと本気で思うなら、相手を尊重することが必要。関係性を築き上げることが、遠回りのようでも最短のコース。いったん関係性ができれば、先に挙げたプロジェクトAのように、あとは最低限の言葉でもわかりあえる。
もしも、遠回しでも注意されなくなっているなら、それはビジネスやキャリアに赤信号が灯っているかもしれませんよ。「自分が絶対的に正しい」というのは、真実ですか。