Business model

ラグビーW杯からマーケティングの工夫を学ぶ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

ラグビー、ご覧になりました? 昨日の2019年9月20日から開幕となった、ラグビーワールドカップ2019。かなりの盛り上がりを見せています。

 今日の試合は、世界ランキング2位のニュージーランドと、4位の南アフリカとが対決。これがまた、すごいのなんの。世界でトップレベルの試合を目の当たりにすると、ラグビーの面白さがビンビンと伝わってきますね。

 こうして純粋に楽しむ接し方もありますが、せっかくなら、いかにラグビーの盛り上がりを自分のビジネスに活かしていくかという観点からも眺めたいもの。知名度が低い状態から、一気に日本中で盛り上がっていく状態をあなたのビジネスで再現できるとしたら、興味はありませんか。

 ほら、日本では、サッカーや野球などと比べて普及している状態ではありませんでした。ラグビーに関わっていないと、試合を見る機会もなかったハズ。そんな中では、ワールドカップが開催されるというだけでは、ここまでの盛り上がりはなかったでしょう。

 なぜなら、このワールドカップを機会に、いかにラグビーを知ってもらうか、また、いかに楽しんでもらってファンを獲得するかについて、さまざまな工夫がなさられているからです。これって、マーケティングそのもの。

 今日のテレビ放映を見ていて感じた工夫は、次の3つ。

 1つ目の工夫は、不特定多数に置きに行くこと。つまり、認知されることに取り組んでいます。具体的には、ゴールデンタイムに地上波で放映されたことです。

 やはり、人目に触れなければ、認知されない。それでは、興味も関心も持たれることはありません。野球が日本でここまでメジャーなスポーツとして位置づけられたのは、かつて、ゴールデンタイムにがっつりと試合が放送されていたから。その中でも巨人は群を抜いて知名度や人気があります。それも、放送される機会が多かったからに他なりません。

 ここから学べることは、あなたのビジネスも、いかに不特定多数の目に触れるかに注力しないと始まらない、ということ。

 2つ目の工夫は、テレビ放送におけるルールの吹き出し。試合中にルールに関する専門用語が登場したときには、その用語と解説が表示されていたのです。

 これは、まだまだラグビーが日本で相対的に普及していないことを踏まえた対応だと考えられます。ルールがわからなければ、試合中に何が起きたのかを理解できない。それを放置すると、見ている人の関心が薄れる結果、他のことに目を向けてしまいます。

 実際、野球やサッカーのテレビ放送では、ルールが表示されることがない。もうわかっているだろうという前提なのです。でも反対に、ルールを知らない人にとっては、試合で何が起きたのかについていけない。そのフォローがないことから、ファンの取りこぼしも起きていることも容易に想像がつきます。

 実際、ボクは、野球のスクイズが未だにわからないため、野球ファンのようには野球観戦を楽しむことができません。このときに、ラグビーのようなフォローがあれば、もっと野球に接しているかもしれない。

 ここから学べることは、専門用語や業界用語を何の断りもなく使いすぎてはいけない、ということ。都度、説明したり、いつでも内容がわかるように工夫したりと、用語へのアクセスを確保しておくことが大事。

 3つ目の工夫は、解説によってラグビーの戦略やストーリーがわかること。これは、解説を務めていた元日本代表の永友洋司サンの功績が大きい。即座に適時に、試合運びに関する解説を、しかも専門用語を多用せずに説明されているために、ルールを知らなくても何が起きているのか、何をしようとしていたのかを理解できるのです。

 この解説を聞いていて、ソムリエやソムリエールを思い出しました。ワインに関する解説をイメージ豊かに伝えることによって、ワインを味だけではなく、情報としても味わうことができます。これと同じなんです。

 ここから学べることは、いかに味わえる情報を提供することに務めること。ただ単に「こうです」と説明するのではなく、その背景についても伝えることが大事。

 このように、しっかりと楽しみながらも、学びを得ていく。視点を試合に置いたり、俯瞰して眺めたりすると、こんな味わい方もできます。ぜひ、お試しあれ。

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