今はあるけど、ボクの高校時代にはなかった部活。それは、ダンス部。家具じゃなくて、踊るほうね。タンス部というのも、どんな活動をするのか気になりますが、それはさておき。
高校のダンス部の公式の全国大会といえば、日本高校ダンス部選手権。これが始まったのが2008年。そりゃ、ボクの時代にはないハズです。20年以上も前からダンス部選手権が盛り上がっていれば、ボクもダンサーとして活躍していた可能性も否定できない。
すると、今とは違う道を歩んでいたかも。歌って踊っていたり、演技をしていたり、振り付けを教えていたりと。ほら、バブリーダンスで優勝した高校のキャプテンだった女性は、NHKの朝ドラ「なつぞら」に出演するなど、芸能界で活躍していますしね。
そんな可能性を秘めたダンス部に、ボクの甥っ子が今年の春から入部しました。日本高校ダンス部選手権にも出場するほどに、実績のあるダンス部。高校の文化祭でダンスを初披露するというので、見に行ってきました。
ちょっとだけ、親バカならぬ、叔父バカの話に付き合ってもらうと、甥っ子の初めて見る姿に感動すら覚えました。こんな世界をいつの間に作り上げたのかと。しかも、皆で踊るときに、センターに立つこともあったんですよ、センター。はい、叔父バカ話はここで終わりにしましょう。
で、そんなダンス部の公演を見ていて、プロデューサー魂に火が着きました。おそらく、ダンス大会で踊ることを想定した公演。ダンスそのもので競い合うため、余計な演出はできないのでしょう。だから、ダンスだけで勝負している印象を受けました。
しかし、ダンス大会よりも規制が少ない文化祭では、もっと盛り上がれる工夫もできます。ボク自身、所属する事務所の全国からメンバーが一堂に会して研修を行う場を企画・運営しているため、「ああ、こうしたい」「ここをああしたい」と感じた点がいくつかあります。あなたのビジネスやキャリアのヒントにもなるかも。
1つ目は、前説の活用。このダンス部の公演は、朝から整理券を配るほどに人気。で、開場も30分前にして、観客を早めに会場入りさせています。で、観客は開演まで待ちます。
このときに、音楽はかかっている点は気分を盛り上げる点では良かった。さらに場を盛り上げるなら、前説を行っておくのもアリ。何もダンス部の学生が行う必要はありません。話がうまい人や落語などの部活や同好会などとコラボしても良い。あるいは、せっかくダンス大会に出場しているのだから、そのときの動画を映しておくこともできます。
そういう意味では、公演の中でのMCも、何もダンス部だけで担当する必要はありません。MCが得意な人や部活にお願いすると、お互いにハッピーです。
2つ目は、DJの活用。1時間ほどの公演の中で、15組ほどがダンスを披露します。1組で1曲のこともあれば、2曲のこともあります。このときの音のつなぎが、ところどころ、途切れてしまう。
そこで、DJが得意な人に音の編集をお願いするのです。今やDJプレイは、アプリで行える時代。実際、中学生でもこのアプリを使って、音をうまく繋げています。そんな人につなぎをお願いすると、喜んで編集してくれるハズ。あるいは、当日、DJブースを設けても良いかも。
3つ目は、背景の活用。手作りのセットが組まれた前で、ダンスをしています。ここも、プロジェクターを使って、ダンスの演目ごとに、あるいは、ダンスの内容に応じて、背景を動かしていくのも効果的。
最近のアーティストのライブでも、背景のセットを組むよりも、スクリーンを置いて曲に応じて動画を流すスタイルが多いですよね。そこまで出来なくても、それに近いことはできます。また、そういう動画もスマホで作成できる時代。
このように、ダンス部のメンバーだけで頑張らなくても、他の部活や他に得意な人とコラボすることで、公演はさらに楽しめるものになります。そんなことを考えながら、甥っ子のダンスを堪能してきました。
ただ、ダンス部だけでは、こうした全体的な演出は難しいかも。踊ることに時間と集中力を使いたいだろうから、多方面にわたってひとつの公演を組み立てていくことには限界があります。また、そのためのスキルは、ダンスとは別のもの。
ということは、「プロデュース部」なる部活が必要かも。文化祭をはじめとして学生が何かを披露するときに、どのリソースを使うか、どういった行動を起こしていくか、誰とコラボするかを全体的に構成していくのです。
これ、何気に面白くないですか。今、社会人も、オンラインサロンを通してイベントを起こしていくのも、こうしたプロデュースの役割を担う人がいるから実現できています。もちろん、ビジネスでもキャリアでも、プロデュース的な役割を担う人の存在は重要。
ボクの学生時代から20年ほど後には、ダンス部選手権が全国開催されています。ならば、2040年頃には、日本高校プロデュース部選手権が初開催されていてもおかしくはない。
さて、その頃に、あなたは何をプロデュースしますか。あっ、もう20年以上も前に高校を卒業しちゃってるか。