あの肘(ひじ)は、何なの、一体?
今、新幹線に乗っています。今度は、名古屋から東京へと向かっているところ。通路を挟んで、2席あるうちの窓際に座っています。通路側に座っているのは、見知らぬ人。
ボクの席からは、窓のある壁際にある肘掛けの他に、見知らぬ人との間にも肘掛けがある。ボクは、窓際の肘掛けを使っています。
一方、隣の見知らぬ人は、通路側の肘掛けだけではなく、ボクとの間にある肘掛けも使っています。しかも、当たり前のように。
いやいや、その肘掛けは、マンションでいえば共用部分。どちらかが専用で使うものじゃない。それを使うと、もう一人はひとつしか肘掛けを使えない。同じ料金を払っているのだから、当たり前のように使われても困ります。
で、今、ボクが心の中で叫んでいるセリフが、「あの肘は、何なの、一体?」なんです。
きっと、そんなところでしかマウンティングできない人なんでしょう。もしくは、躾(しつけ)がなっていない。
ボクは、10代の頃にボクシングジムに通っていたことから、そのフォームを徹底的に仕込まれたため、脇を締めることが自然体。なぜなら、肘を広げてパンチをしても、腰の回転からくる力を拳に乗せきれないから。
そんな躾を受けているため、肘を広げて無遠慮に振る舞っている人を見かけると、イライラします。「脇を締めて」「肘を広げない」と。
先日、カレー屋事件がありました。カジュアルなカレー屋さんに行ったときのこと。繁盛していたお店のカウンター席は、当然に隣にもお客さんが座っている。席は固定されているため、どちらかが相手の方に寄ることはできない。
しかし、左隣に座っていた若者は、肘を広げてカレーを食べている。角度にして90度。見事な広げっぷり。食べにくくないかと心配するほど。
当然のごとく、ボクの左手にガンガン当たる。こちらはボクサースタイルで脇を締めてカレーを食べているにもかかわらず、隣の若者は90度に広げた右肘を当ててくるのです。
しかも、「何、ぶつかってくるんだ」と言わんばかりに、こちらをチラチラと見てくる。おいおい、その90度の肘が原因だと言いかかったのですが、しつけができていないなら、言ってもムダ。
そんなことを思い出している今も、新幹線の隣の見知らぬ人は、まだ、両方の肘掛けを占領しています。ね、しつけができていないとダメなんですよ。
そうそう、ラーメン屋事件もありましたよ。同じようにカウンター席に座ると、隣のオジさんが肘を広げてラーメンを食べている。その肘は、やはり右肘。右利きなら、そうなりますよね。
で、面白かったのは、足まで全開だったこと。暴走族の真似をするときに、右足も左足も全力で広げる、アレ。体操選手になれそうなくらいの開脚を見せています。そんな状態なものだから、右肘だけじゃなく、右足までボクに当たっている。ここまで来ると、もう笑うしかない。
むしろ、その器用さに感心します。ほら、フィットネスクラブの腹筋マシンを使うときに、足を広げると効果がなくなるでしょ。力が分散されてしまうからね。そこまで力を分散させておいて、よくラーメンを食べられるなと、新しい生き物を見るような感じでした。結局、最後までラーメンを食べきっていましたよ。
新幹線やカレー屋さんの肘だったり、ラーメン屋さんの足だったりと、誰かに迷惑をかけていることに気づいていない。しかも、大人相手にし 躾がなっていないことを注意もされない。なので、本人は気がつかないまま、真っ当な人から遠ざけられてしまう。
この話は、ビジネスでも同じ。顧客がどう思っているかに鈍感だと、その顧客はあなたのビジネスから去っていきます。
クレームを言ってくれる人は、まだマシ。あなたのビジネスをまだ利用しようと考えているから。関心がなければ何も言わずに去っていくだけ。だから、一番怖いのは、何も言わない顧客。あなたが何も考えずに行っていることが、気に障っているかもしれません。
顧客の気に障る肘や足がないかどうか、今一度、ご確認くださいませ。