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プレゼンには「4は状況で、3は動き」の法則を

 千夜一夜物語は、ペルシャの王に妻が毎夜、物語を語る形式となっています。そこで、今宵のブログでは、ボクが、王さまの夜伽に、「4は状況で、3は動き」の法則のお話しをいたしましょう。

 フレームワーク的なものって、ありますね。3つでまとめてみたり、4つでまとめてみたりと。3なのか、4なのか、どっちなんだって思ったことがありませんか。魔法のランプをさすって、どちらが正解かを教えてもらいたいほど。

 ところが先日、偶然にも、この答えを発見しました。その答えとは、4は状況を示しているのに対して、3は4つの状況の間を移動する動きなんです。

 ほら、4マスのボックスで整理する方法があるじゃないですか。縦軸、横軸ともに、2つのパターンでわけたときの組み合わせ。

 例えば、学習の4段階と呼ばれているものがあります。一方には、意識するか、しないか。もう一方には、できるか、できないか。これらの組み合わせで、次のとおり、4つの象限が出来上がります。

 まず、できないことに意識がない状態。そもそも知らない状況を表します。
 次に、できないことを意識している状態。知っているけど、できない状況を表します。
 さらに、意識すればできる状態。まさしく、できる状況を表します。
 最後は、意識しなくてもできる状態。やっている状況を表します。

 このように、何かの状況を示すときには、こうしたボックスで整理すると、4つのケースとして表現することができるのです。だから、4は状況を示すのです。

 これに対して、4つの状況は進化することがあります。このとき、最初の状況から4つ目の状況までの間は、3つ。先ほどの学習の4段階でいえば、次のとおり。

 1つ目のステップは、「知らない」から「知っているけどできない」への進化。
 2つ目のステップは、「知っているけどできない」から「できる」への進化。
 3つ目のステップは、「できる」から「やっている」への進化。

 こうして、4つの状況の間を進化するからこそ、そのステップは3つになるのです。この「4は状況で、3は動き」の法則の発見って、すごくないですか。ボクの中では、今世紀最大の発見。

 これを意識的に使うと、こうなります。目指したいゴールがあり、また、それが達成されていない現状もあります。普通に考えると、これらを直線で結んでしまうため、ワンステップで達成しようと考えてしまう。

 しかし、「4は状況で、3は動き」の法則に従えば、3ステップでゴールに達しようとします。そこで、もう2つの状況を考えます。

 縦軸と横軸のボックスでは、ゴールと現状とで、一列または一行が埋まっています。もし一行が埋まっているなら、もう一列の観点に気づけばよい。

 このとき、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:漏れなくダブリなく)の観点で埋めると良いですね。例えば、計画と実施、予防と発見、事前と事後など。Aとnot Aという切り口でも大丈夫。

 ボクなら、埋まっている列は、現実の世界。そこでの行は、丸とバツ。何かができていない現状と、それができるようになっているゴールを表します。

 もう一列は、何かの方法論を置きます。そこでの行は、何かができないけど、それを知っている「バツ」と、どうやればできるかの「丸」とに分解します。

 すると、学習の4段階のようなボックスと、その間を移動する3つのステップを作ることができます。ボクはこの4つの状況に、「Why」「What」「How」「Now」を当てはまるようにしています。

 さらにいえば、映画の脚本術でいう3幕構成も組み込んでいます。2幕目が前半と後半に分かれるため、4つのシーン(状況)ができるからです。最初のシーンから各シーンに移るときに、何を仕掛けると動き出すかを考えるのです。

 こういうことを考えながら、セミナーや執筆の構成を組み立てています。これを身につけると、何をどの順番で伝えるべきか、また、どれくらいのボリュームで伝えるべきかが一目瞭然のため、コンテンツづくりが楽になります。

 プレゼンの機会があるのに、どう話せば良いか困っている人がいるなら、ボクがサポートしますよ。この魔法のランプのような法則でね。

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