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厳しいレビューコメントに感謝

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

愛の反対語は無関心とは、よく言ったもので。「愛」という言葉の反対は、「憎しみ」ではないのです。これは、マザーテレサの言葉として有名。

 愛も憎しみも感情が動いているのは確か。そのベクトルが違うだけで、どちらも心が揺り動いています。相手の存在を認めたうえで、こちらの感情が動かされている。

 しかし、無関心となると、感情が動いていないので、ベクトルが合う合わないの次元ではなくなります。相手の存在すら認めていない状態。だから、相手のことはどうだって良い。

 ボクの話で恐縮ですが、最近、この言葉を実感したことがあります。それは、レビューコメントをもらったから。

 とある文章について、まったくの外部の方々からレビューコメントをいただく機会がありました。イケてる文章になったんじゃないかと浮かれていたら、厳しいコメントが返ってきたのです。最初、レビューコメントを見たときには、正直、相当にヘコみましたよ。

 ただ、そのレビューコメントは、まったく正しい指摘。難癖をつけるようなコメントではない。ボクの文章が曖昧な言葉の使い方や論理展開をしていたため、当然の帰結。

 しかも、レビューコメントがかなりの数にのぼっていました。「この定義がない」「この例示は不適当」と文章の最初から終わりまでにわたって、指摘していただいていたのです。

 ここで気づきました。これは、愛だと。

 なぜなら、どうでも良いと思われていたなら、ここまでコメントを付すことはないからです。そんな面倒なことを選択しません。ボクの文章に無関心なら、「話にならない」の一言で済ませることも可能だから。

 ところが、時間をかけて文章をレビューしていただいているのです。無関心で終わらせることなく、レビューコメントを付けていただいている。だんだんと愛を感じてきました。

 そういえば、ボクがレビューする側のときも同じ。レビューコメントを付すのは、相手の文章を良くしたいと思うから。具体的な直しの提案だったり、別の観点からの気付きだったりと、レビューに熱が入ってしまいます。

 これが、「まあ、いいか」と思うケースでは、そこまでの熱量にはなりません。無関心に近づくほどにレビューコメントは少なくなります。無関心になると返事すらしないことも。

 だからこそ、レビューコメントに対して相手が向き合ってくれないときには、ガッカリします。「もう時間がないから直せない」「ここまで頑張ったんだから、これで行く」という姿勢で返されると、熱量の違いに悲しくなる。言い訳をして対応しないなら、レビューを求めるな、って感じ。

 特に成果物を提出する前のレビューコメントなら、直すべきものは直す。これが、ボクやボクが信頼する人たちの姿勢。たとえ期限が明日だろうが、何ヶ月も取り組んできたものであろうが、指摘に応えるように直すことで成果物が良くなるなら、それを選択しない理由はない。

 それが、時間をかけてレビューをしてくれた人への恩返し。感情のベクトルはどうだろうと、せっかく関心をもってもらえたのだから。無関心よりは、関心があるほうが幸せ。

 そう考えたら、沈んだ気持ちが落ち着きました。やはり、愛があったのでしょうね。

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