桑田佳祐サンが4割、近藤真彦サンが3割、藤井フミヤさんが3割。これが、ボクのボーカルの源の割合。このお三方の発声やコブシ、声の伸ばし方などがベースとなっています。なんて言いながら、所詮、カラオケのレベルですがね。
これらの方たちの歌は、随分と聴き込んだし、歌い込みました。レコードやCDといった媒体の音源だけではなく、テレビ番組やライブでの生の歌唱の仕方もウオッチしています。そのため、相当にクセをつかんでいる自負があります。
ご自身の持ち歌はもちろんのこと、他の歌手の歌を歌うときこそ、歌い手のクセがでます。例えば、桑田佳祐サンは、「世界エイズデー」にエイズ啓発運動の一環として開催されていた「Act Against AIDS」という公演がそう。ビートルズやエリック・クラプトンといったアーティストしばりであったり、映画音楽やディスコ・ソウルといったジャンルしばりであったりと、毎年のように趣向を凝らしたライブを披露していました。
中でも「ひとり紅白歌合戦」と題した公演が秀逸。NHKの年末特番「紅白歌合戦」さながらに、桑田サンがおひとりでさまざまな歌手の歌を歌っていくのです。好評だったのか、2008年、2013年、2018年と3度も開催されました。
ここで桑田サンが歌ったからこそ、好きになった歌やカラオケで選曲する歌があります。奥村チヨさんの「終着駅」やスピッツさんの「ロビンソン」、弘田三枝子サンの「人形の家」、北島三郎サンの「与作」まで。そうそう、この「与作」は皆、「ヘイヘイホー」と合いの手を入れてくれるので、盛り上がれますよ。
桑田サンの持ち歌じゃなくても、まるで桑田サンの歌い方で歌うようになります。桑田サンが実際に歌ったのをコピーすることもあれば、歌っていなくても、きっと、こう歌うだろうとコブシを回すこともあります。
これは、文章でも同じ。何を読んでいるかによって文体が変わります。ビジネス書や文学といったジャンルの偏りに影響されることもあれば、同じジャンルでも書き手の偏りにも影響されます。
このことが教えるのは、人は触れているものに近づいていく、ということ。普段、見聞きしているものに感化していくと換言もできます。身の回りにあるもので、思考や行動、発言などが形作られていくのです。
今、触れているものがそう遠くはない将来の自分を作る。普段、読んでいる本や聞いている音楽、接している人などが、少し先の自分を形成することになります。そう考えると、望む将来に照らして取捨選択しなければならないことが理解できます。
何を新たに始め、何を止めるか。何を今よりも増やし、何を今よりも減らすか。その選択によって半年後や一年後の自分が決定されていく。将来から逆算することで、今、取り組むべきことやものが明確にできる。
キャリアでもビジネスでも、望む未来が描けているなら、現状で足りないものを埋めていく。期待する将来に関することやもので現状を取り囲むのが良い。それが将来の自分となるから。
やっぱり、環境こそが一番、変化をもたらすことができますね。桑田佳祐サンを聴き込んだボクの歌い方が、桑田サンっぽくなるように。