今日は、オンライン講座を収録するときの気付きが得られました。オンライン講座には、リアルタイムで配信するタイプと、録画したものを後日、視聴できるようにするタイプの2つがあります。
録画した動画を後日、視聴できるタイプを提供するためには、講師はあらかじめセミナーの内容を話しているところを録画しなければならない。このとき、基本的には、目の前に受講者がいない状況で収録するものと考えられます。
ボクはまだ、こうした収録の経験がなかったところ、類似した状況でセミナーを開催する機会がありました。それは、本日、行ったセミナーのこと。昨日のブログ「コロナでどうする、どうなる、セミナー開催」でお話ししたとおり、コロナウィルスの影響を考慮して、会場でのリアル講座を当面、中止したため。
なんでも、今回の後発事象のセミナーは、リアル会場もWeb視聴も参加申込みが多かったようで。これまで何度も後発事象でセミナーを開催してきましたが、記憶が正しければ、過去最高の参加者数。
前日の主催者側の意思決定を受けて、申込みをされた方々に事情を説明したそうです。申込みが多くなったタイミングで、主催者側に随分とお手数をかけてしまいました。ボクのセミナー以外にも複数の開催を予定したため、かなりバタバタしていたのではないかと推測されます。
その説明にあたって、主催者側はWeb視聴への切り替えを促していただいたとのこと。もともとWeb視聴できるように録画もする予定であったため、リアル会場には足を運べなくても、パソコンやスマホからセミナー動画を見ることができます。
実際、Web視聴への切り替えを行っていただいた方々もいらっしゃるため、リアル講座を申し込まれた方のすべてが受講できない状態にはならない。そんな背景もあって、3時間きっちりと後発事象についてお話ししてきましたよ。
この経験を通じて得た気付きは、Web視聴のための収録では講師は普段と違う形で講座を進めていかなければならないこと。それは、次の2点。
1点目は、目の前で受講者の反応が見ることができないこと。今回は会場で、主催者側の方々に座っていただいため、まったくの無人で話す環境ではありませんでした。こうした配慮はとても有り難い。
とはいえ、リアル会場とは違って、本来の受講者の反応を目の前で見ることができません。受講者は、後日、パソコンやスマホで見ています。こうした時空を超えたセミナーだと、質問していくような、受講者を巻き込んでいく仕掛けができない。
ほら、講師って、ただ話しているだけじゃありませんからね。コンテンツは当然として、講座運営のためのテクニックも駆使しながら、受講者に興味を持ってもらい、学習効果を高めていく工夫を凝らしています。それが一部、制限されてしまう。
なるほど、こうした事態にも備えて、講座を運営していく必要があることを痛感しました。プランAだけではなく、プランBも用意しておくことの大切さが身にしみました。この気付きは大きかったです。
2点目は、話し方がおとなしくなりそうなこと。もしもオンライン講座を作るとなると、今回のように仮の受講者を用意できる環境が確保できるとは限りません。自分ひとりでカメラに向かって語りかける環境も十分にあり得るから。
これが意味しているのは、講師にとっては、話し方が変わること。受講者がいるときには、声が届くように腹から発します。また、強調したいところで声を張るようなこともしています。
これに対して、ひとりで話すとなると、知らずと小声になる可能性もある。受講者にとって重要な箇所がわかりにくくなることも考えられるのです。これでは、同じ内容のセミナーでも、受け取る情報量が随分と変わってしまいます。
少し心配していましたが、セミナー終了後、モニターを通して様子を見ていた方からの言葉で安心しました。「受講者がいるような自然な感じで解説されていましたよ」とおっしゃっていただけました。ホント、良かったです。
こんなことも、実際に体験してみないと気づけない。オンライン講座の必要性が高まっている中、事前に練習したような感じ。思いがけず貴重な経験ができました。
来月は違うテーマでセミナーを行います。2019年の不正事例をピックアップした『棚卸資産の不正事例分析と平時対応』を解説します。同じようにWeb視聴だけになるため、これからプランBの講座の進め方を研究しなきゃ。よければ、そちらもどうぞ。