今日の2020年5月15日、例のセミナーを収録してきました。そう、5月22日(金)から視聴が可能となるWebセミナー「新型コロナウイルスの影響による 後発事象を軸とした財務報告の検討」です。
きっちり、予定の2時間を話しきってきました。後発事象で90分ほど、記述情報で30分ほどの時間配分。YouTubeでこのセミナーの予告編をアップしていますが、該当箇所もYouTube以上の時間をかけて丁寧に説明しました。
なかなか、ここまで深堀りした説明はないと自負しています。実際、セミナー担当者の方とお話ししていたときにも、新型コロナウイルスに関する後発事象がいつ発生したというのだろう、実質的な原因は何だろうと悩んでおられたとのこと。
これについては、3部構成の最初のパートである「後発事象の基本的事項からの論点抽出」で具体例を挙げて説明しました。3月決算会社における営業店舗の休業について、次の2つのケースで考え方を整理します。
(ケース1)
・3月30日、東京都知事からの平日を含む夜間外出自粛の要請
・3月31日、取締役会で4月x日から営業店舗の休業を決定
(ケース2)
・4月10日、東京都知事の会見で、緊急事態宣言に基づく休業要請対象施設の発表
・4月10日、取締役会で翌日からの休業を決定
いかがでしょうか。これらのケースにおいて、どのような対応とすべきかが即答できるでしょうか。セミナーでは、修正後発事象か開示後発事象か、後発事象の発生時点はいつか、実質的な原因は何かにを整理しています。これらによって、新型コロナウイルスに関する後発事象は、自社の置かれた環境に応じて検討しなければならないことが理解できます。
また、3部構成の次のパートである「開示後発事象の記載の仕方(コロナ関連)」では、新型コロナウイルスに関連して生じる可能性のある次の事項について、記載例を紹介しました。
・営業店舗の休業(後発事象の評価終了日までに営業が再開している場合)
・営業店舗の休業(後発事象の評価終了日までに営業が再開していない場合)
・希望退職者の募集
・債権の取立不能のおそれ
・多額な資金の借入
・(後発事象としての)継続企業の前提
加えて、実際の開示事例について、日本企業で3つ、海外企業で1つを紹介しました。ここで取り上げた事例が他と違う点は、最初のパートで一貫して伝え続けてきた「会計事象」が記載されていること。これらの開示例をみると、セミナー冒頭で掲げた疑問に思う注記との違いが明確になります。
3部構成の最後のパートである「記述情報としての開示対応」では、2020年3月期以降から強制適用となる有価証券報告書の記述情報の充実を受けて、新型コロナウイルスについての対応を整理しました。
ここで紹介したのは、海外の記述情報に関するガイダンス。具体的には、次の2つを説明しました。
・SEC “CF Disclosure Guidance: Topic No. 9”, March 25, 2020
・FRC “Five current questions investors seek information on…”
ただ、これらのボリュームが多いため、ボクのほうで「記述情報としての記載に盛り込むことが適当な事項」として3つにまとめました。この3つに照らして海外のガイダンスを見ていくと整理がしやすく、また、自社の記述情報の作成にあたっても軸が持てるようになります。
また、海外企業の新型コロナウイルスに関連した記述情報についても、事業概要、リスク要因、MD&Aの3箇所の事例を紹介しました。しかも、ここで取り上げた企業は、第2部で後発事象の開示事例として取り上げた企業と同一。なぜなら、後発事象と記述情報とをどのように記載しているかが理解できるからです。
知り合いからTwitterで「熱いテーマだ」と称されましたが、それに応えるように熱量を込めた内容に仕上げました。だから、一人でも多くの財務報告の関係者にご覧いただき、その悩みを解消して、財務報告の軸を持ってもらいたいのです。
実は、今回の受講料は、いつものセミナーよりも4割ほどお値打ち価格に設定されています。Webセミナーだからか、お手頃な価格となっておりますので、この機会をお見逃ししないよう、ご注意ください。