Accounting

KAM早期適用結果の「セミナー」へのご興味は

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

「セミナー」という言葉を聞いて、あなたはどんな印象を受けますか。同じ言葉でも、人によって印象が異なることがあります。

 人によっては、研修で学ぶ場というイメージを持つ人がいらっしゃるかもしれません。スキルがついたり、考え方が変容したりと、成長していく場。だから、ポジティブな言葉として受け取るでしょう。ボクは、こちらに該当します。

 一方で、何かを売りつけられるような営業の場だと感じ取る人もいらっしゃるでしょう。販売のための説明会に行ったり連れて行かれたりとする場。だから、ネガティブな言葉だと考えるでしょう。

 世間では、ネガティブのタイプが多いという話を聞いたことがあります。だから、「セミナーに行っている」なんて話すと、変な目で見られるようで。

 確かに、海外の書籍で解説しているものは、販売に誘導する言葉として使っているものを目にします。リアルの場で開催する「セミナー」や、オンラインで提供する「ウェビナー」のやり方について説明している本は、いかにセールスにつなげるかを考え抜いています。

 何を、どの順番で話すか。全体の構成のうち、あるタイミングで話すべき内容は何か。セールスのパートに入る前に実施しておくべきことは何か。これらがパターン化されているのです。翻訳本以外で、こういう解説を見ることがありません。

 先日の夜に受講したオンラインセミナーも、このタイプ。セールスとしてのセミナー構成を知っているため、「ああ、アレで来たか」なんて冷静になる局面もあれば、「こうしてアレンジしているんだ」と勉強になる局面もありました。

 一方、ボクは、仕事柄、会計や監査に関する研修会の講師を務めることがあります。その研修会は「セミナー」と呼ばれることが多い。このセミナーを受講した方々が少しでも理解しやすいよう、セミナーに関する洋書を参考にしています。

 ところが、教えることで終わらず、販売の誘導まで解説している。ボクの研修会は知識やメソッドなどを伝えるものであって、受講者もそれを望んでいる。決して、その後の販売をボクも受講者も期待してはいない。

 だから、セールスまでの導線がセットになっていることが理解できませんでした。まあ、「セミナー」という言葉で想起している内容が違っているのだから、当たり前って言えば当たり前。ボクのほうが、おそらく世間的には少数派なんでしょうからね。

 とはいえ、ボクは、セールスとしての「セミナー」の方法論を、研修としての「セミナー」に活用しています。どちらのセミナーも行動を促す意味では、同じ。そこで、販売ではなく、伝えた知識やメソッドを使ってもらうことをゴールとしているのです。

 もちろん、そのままでは使えないため、研修の場に合うようなアレンジが必要。あるとき、ボクが所属する事務所でセミナー講師をしたときに、どっぷりとセールスとしての「セミナー」の方法論を使ってみたことがありました。

 あるテーマの研修会で内容を解説した後、最後に、それに関する勉強会への参加を呼びかけたのです。研修会の終わりに記載してもらったアンケートに、参加を希望するなら旨を添えて、とお願いしたのです。

 結果は、89名のうち参加希望者は9名。しかも、参加が義務付けられた研修会のため、受講者は必ずしもそのテーマに関心がある訳ではありません。そんなリストで10%超えの反応は、セールスとしての「セミナー」の方法論に効果があったと証明できたのではないでしょうか。

 今度、これを使って、ウェビナーを開催してみるのも良いかも。ちょうど、KAM(監査上の主要な検討事項)の早期適用の分析結果についても披露したいところだし。ご興味はございますでしょうか。

P.S.

日本におけるKAM早期適用事例の分析について、当ブログでは「財務報告の流儀」というシリーズ投稿で解説しています。ただ、ワンコインの有料コンテンツとして提供しているため、「お試し版」をこちらで用意しています。

P.P.S.

2020年3月期の上場企業で早期適用されたKAMの解説は、書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』(同文舘出版)として発売されました!

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