“KAM王”に!!! おれはなるっ!!!!
そう言いたくなるほどに、一連の投稿を終えました。そう、KAM(監査上の主要な検討事項)の早期適用事例の分析です。2020年3月期の上場企業44社すべてに解説を加えました。
もっとも、新型コロナウイルスの影響で、2020年3月期の有価証券報告書の提出期限が9月末となっているため、まだKAM早期適用の事例が現れるかもしれません。とはいえ、残り10日もないため、ほぼほぼ出揃ったのではないでしょうか。
◎「財務報告の流儀」の投稿の状況
2020年7月19日に、KAMを早期適用した事例から、財務報告のあり方を考える「財務報告の流儀」のVol.001を投稿しました。7月の連休には、1日に2回投稿したこともありました。
最初は、2020年8月19日までに金融業以外の上場企業28社分を対象に投稿しました。この会社数は、6月末までに有価証券報告書を提出したものをカウントしています。金融業は特殊な業種であるため、参考になる点が少ないと考えたからです。
しかし、9月1日に開催された日本監査研究学会の全国大会で、金融業の企業に対するKAM早期適用の事例にも優良なものがあると聞きました。そこで9月3日からは、金融業を対象とした分析の結果も投稿し始めました。
また、有価証券報告書の提出延長を用いた企業の中にもKAM早期適用の事例が3社あったため、これも追加して分析しました。ここまでの全44社の投稿が、2020年9月20日で終えたのです。
◎有料でのコンテンツ提供
ブログに投稿している「財務報告の流儀」は、有料でしか閲覧できません。無料で提供すると、さまざまな想いの方の目に触れるからです。他では伝えられていない情報をお話しするため、野次馬根性のような人や情報だけ集めて行動しない人が簡単に閲覧できないようにする必要がありました。
そこで、コンテンツを有料で提供することによって、経営者の想いを表現する有価証券報告書を創り上げていきたい方々だけに「財務報告の流儀」が届くようにしました。これで儲けるつもりはないため、料金はワンコインとして安価に設定しました。
◎そうだ、お試し版を提供しよう
安全に対話できる環境としてコンテンツを有料で提供したものの、これがかえって参加のハードルを高くしすぎている面もあります。「財務報告の流儀」に関心はありながらも、どのようなレベルの解説かを心配したために、購読をためらっている方がいらっしゃるかもしれません。
先日も、後輩から「財務報告の流儀って、結構、読まれているのですか」と質問されました。きっと、内容が気になったのでしょう。その探りを入れてきたのです。この後輩のように関心があるのに、有料であることが障壁になっているとしたら、本意ではありません。
そこで、44社分の投稿を終えた今、財務報告の流儀の「お試し版」を提供することにしました。
◎有料版とお試し版との違い
とはいえ、「財務報告の流儀」の記事を購入されている方がいらっしゃるため、記事をそのまま無料で公開する訳にはいきません。趣旨に賛同してお金を支払っていただいたため、配慮が必要です。
そこで、いくつかの記事の中から複数ある解説から1つだけをピックアップして提供することとしました。ブログにアップしている記事には、それぞれ2,3の解説が含まれています。1つの記事をそのまま提供するのではなく、3つの記事からそれぞれ1つの解説を選ぶこととしました。それには、他の識者とは違う観点も含まれています。
◎「お試し版」のコンテンツ
今回の「お試し版」には、次の3つの解説を収録しました。
(1)財務報告の流儀 Vol.022
会社名 ㈱AOKIホールディングス
監査法人 PwCあらた有限責任監査法人
解説 監査役とのコミュニケーションの一覧表が掲載された背景
(2)財務報告の流儀 Vol.023
会社名 三谷産業㈱
監査法人 有限責任あずさ監査法人
解説 監査人のオリジナルな記載は企業の開示に影響を及ぼすか
(3)財務報告の流儀 Vol.028
会社名 四国電力㈱
監査法人 有限責任監査法人トーマツ
解説 KAMに記載されていない言葉
◎投稿一覧もあるから、記事へのアクセスが簡単
この「お試し版」の後には、「財務報告の流儀」の投稿一覧も掲載しました。会社名や監査法人名、連結財務諸表に対するKAM、個別財務諸表に対するKAM、解説がひと目で理解できます。
投稿一覧の掲載によって、PDF文書が39ページとなりました。ちなみに、投稿一覧を除くお試し版の記事だけでも11ページです。十分に内容を判断できるボリュームだと考えています。
ずっと「財務報告の流儀」が気になっていた方は、ぜひ、この機会に「お試し版」をご覧ください。
P.S.
2020年3月期のKAM早期適用事例の解説は、書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』(同文舘出版)として発売されました!