いや~、ホント、世の中は便利になっていますね。文章を比較するためのツールを調べていたら、いろいろとありましたよ。
財務報告のある箇所の文章について、前期比較を行いたいと考えていました。どこがどのように変化したのかを知りたい。一度、目視で確認はしたのですが、ツールを使って網羅性を確保したい。
マイクロソフトのWordに、2つの文書を比較できる機能があることは知っていました。ただ、これを使うには、それぞれファイルにしなければなりません。
ボクの置かれた状況は、複数の会社の開示を比較したいところ、当期の分はひとつのWordファイルに複数の会社の開示をまとめているのに対して、前期の分はこれからEDINETで検索していく状況。これから、同じような形式で前期分のファイルを作成するのは、ちと、しんどい。
そこで、ファイルを読み込んでの比較ではなく、テキストを貼り付けて比較できるツールはないかと探し始めました。すると、何かのアプリケーションソフトをダウンロードして使う方法以外に、Webアプリ上でテキストの差分を調べるツールもあるじゃありませんか。
いくつかの候補の中から、「テキスト比較ツール difff《デュフフ》」なるものを試してみました。使い方は、このサイトを開いて、次の3ステップだけ。
(1)左のボックスに前期の財務報告のテキストを貼り付ける。
(2)右のボックスに当期の財務報告のテキストを貼り付ける。
(3)「比較する」ボタンを押す。
なんてカンタンなんでしょう。Google翻訳やDeepLを使っている人なら、同じ感覚で使用できます。たとえ片方は行ごとに改行されたテキストであっても、いちいち改行マークを削除しなくても良い。
また、比較した結果を印刷する機能まで使えるため、PDFとしてPCに保存することもできます。あとで個々の調査状況を振り返るときに役立ちます。ボクは比較結果を別のシートで一覧にしてまとめていたため、差分についての説明をメモしていたのですが、それでも再度、確認することがありますからね。
あまりにも楽しくなったため、別件で比較している文章についても「difff《デュフフ》」を使って差分が正しく識別できているかどうかを再確認しました。おかげで見逃していた箇所を発見できましたよ。これで網羅性は完璧です。
比較したい文章が大量にあるときには、目視なんていう原始的な方法ではなく、デジタルツールを活用するに限りますね。ほら、会計や監査の業界だと、公開草案から変更した箇所が開示されないことがあるじゃないですか。そんなときに、ファイルに書き起こさなくても、Web上でのコピペで対応できます。こんなツールが無料で使えるのです。
ビジネスでも、今や、多くのWebツールが無料もしくは安価で使える環境にあります。もはやコストは言い訳にできません。行動あるのみ。テスト、試行と言い換えたほうがより適切ですね。
その前工程として、こうしたツールがあると知っていること、また、何かツールがあるのではないかと気づけることが重要です。今回の例でいえば、開示の変化に網羅性を持たせるために、別の者にチェックしてもらうことを考えていては、いたずらにコストが増え、また、時間がかかってしまいます。
人手によるチェックをいかになくすかは、ビジネスを高速で回していくためには不可欠なこと。内部統制をあらたに構築する際にこうした視点がないと、手間のかかることを高速で回していくだけになりますからね。