ワタクシ、生まれ変わりました。といっても、Powerpointのスライドの話。
でも、それは、現状の延長線上の改善といったレベルではありません。そうではなく、別人のスライドになったかのような大改革なんです。
今回のブログにアップしたのは、その一部。色使いとか、良い感じでしょ。あまりにも気に入っているため、もう、以前のスライドのフォーマットには戻れません。
ここまで変化できたのは、はっきりとした理由があります。その理由について、今日はシェアしますね。ボクの大改革を追体験することで、あなたのパワポが見違えるようになれたら嬉しいです。
きっかけは、海外からのメルマガ。送り主は、世界でも著名なプレゼンテーション会社を運営するナンシー・デュアルテ(Nancy Duarte)さん。第45代アメリカ合衆国副大統領のアル・ゴア氏の『不都合な真実』のプレゼンテーションを制作したことでも有名なお方。
彼女は、ボクにとって、心の中でのプレゼン師匠。日本では『ザ・プレゼンテーション』として発売された本は、その原著『Resonate: Present Visual Stories that Transform Audiences』もより寄せたほど。もちろん、Duarte社のメルマガも購読しています。
忘れもしない、2022年7月21日。Duarte社から送られてきたメルマガを開封したところ、こんな文字が飛び込んできました。
New Slidedoc™ templates are here!
なんと、新しいスライドのテンプレートが提供されている、というのです。
この「スライドドック」という言葉は、プレゼンテーションソフトで作成されたビジュアル文書でありながらも、投影するのではなく、読むことを目的としたものを指します。
ホラ、本当の意味でのプレゼンテーションのスライドって、写真を多用したり、グラフや数字を端的に見せたりと、あまり文字を使わないじゃないですか。かといって、文字だけでスライドを埋め尽くすようなシロモノだったら、Wordで十分。でも、Powerpointを使用しなきゃならない、ってときに両者のいいとこ取りをしているのが「スライドドック」。
ボクは、会計や監査に関するセミナー講師を務めている関係上、セミナー資料をPowerpointで映写しながら解説を加えることが多い。そこで、スライドドックが活用できるのではないかと考えていました。とはいえ、「プレゼンをする訳じゃないからな」という思いもあったため、参考に留める程度でした。
一方で、今のボクのスライドが、文字ベースになっていたことが少し気になっていました。セミナー資料が復習にも使えるようにと、文章による説明を意図的に多くしていたのです。その結果、スライドが文字だらけで、見た目に窮屈になっていました。
また、最近、受講したセミナーの影響も大きい。配布されたスライド資料のフォーマットが、10年近く変わっていなかったのです。それを反面教師として、自分のスライドが陳腐化して見えるようではいけないと痛感。抜本的にスライドを見直したい意欲が高まっていました。
そんなときに、メルマガで目にしたものが、新しいスライドのテンプレート。しかも、あのナンシー・デュアルテさんの提供。カスタマイズもOK。これを見逃す理由はありません。そこで、早速、クリックしてダウンロード。
あまりにもカッコ良すぎました。洗練されたスライドとは、まさに、このこと。「これを使う」と即決。3つのテンプレートの中から気に入った1つをベースに、ボクなりのスライドドックのフォーマットを作り込んでいきました。
そこで行ったのは、リバースエンジニアリング。製造業の会社では、同業他社の製品を研究するために、解体して中身を実際に分析します。それと同じように、提供されたテンプレートのスライドマスターを中心に徹底的に分析しました。
片手には、『slide:ology[スライドロジ―]―プレゼンテーション、ビジュアルの革新』。こうして読み返すと、実践的なことばかり書かれていますね。フォーマットづくりにはチャプター06「要素を配置する」、実際のスライドづくりにはチャプター03「ダイアグラムを作成する」辺りがオススメ。
ただ、今回、提供されたスライドは、イマドキのワイド画面(16:9)のサイズ。オンラインで映写するのみなら、そのまま使えたでしょう。
しかし、ボクの場合、セミナー主催者が用意しているスクリーンや、印刷したものをセミナー資料として配布されることから、標準(4:3)のサイズで用意しておいたほうが、何かと無難。そこで、以前に提供されていた標準サイズのテンプレートと組み合わせました。
このとき、フォーマットだけではなく、今後、開催が予定されているセミナー資料も同時に作成しました。フォーマットだけでは、気づかない点も生じるからです。実際、細かな点でフォーマットを直すことも多々ありましたよ。例えば、文字の間隔、行頭の文字など。それにしても、こんなにスライドマスターを作り込んだのは、生まれて初めてのこと。
そうそう、コピーライトの表記も、表紙だけにしました。すべてのスライドに記載している法的な必要はなく、また、見た目にもうるさいだけ。ページの表記も小さくしました。やたらとページ数が強調されたスライドでは、本文に目が行きませんからね。
で、セミナー資料が完成すると、スライドのフォーマットも完成。自分で言うのもなんですが、カッコいい。必要な文字だけを残すようにしたことから、従来よりも余白が生まれたため、見た目もスッキリ。色使いも統一感があって気に入っています。
自画自賛のようですが、もちろん、これはボクの力ではありません。ナンシー・デュアルテさんやその会社の皆さんのおかげ。もう、感謝しかありません。
秋からのセミナーで使っていくので、ご参加の際には、生まれ変わったスライドにもご注目ください。「同じ人が作ったとは思えない」と感じるハズですから。
P.S.
なんと、これまで未翻訳だった『DataStory』が、2022年9月に日本語版が発売になるとのこと。これは誰にも教えずに、こっそりと読まなきゃ。っていうか、スライドを見直したくなるかも。