それにしても、テクノロジーは進んでいますね。それを実感する機会がありました。
昨日の2023年3月11日の夜、都内のワインバーで開催されたメーカーズディナーに参加したときのこと。メーカーズディナーとは、ワインの生産者から説明を受けながら、ワインと食事のマリアージュを楽しむ会。この日は、イタリアワインの販売会社が、イタリアのワインの生産者を招いてのイベントが開催されていました。
実は、このワインの生産者は、ちょうど4年前のイベントにも来日していたため、お会いしたのは、2回目でした。スマホの写真アルバムから探し出した当時の写真を見せたところ、笑顔で「ビッグクライアントだ」と返されましたよ。
なんて話すと、ペラペラと外国語でコミュニケーションできているようですが、実はそうでもありません。イタリア語を話すことはできないため、カタコトの英語と身振りによって2回目の対面であることを伝えた次第。いや~、情けない。
その後、ワインの生産者からInstagramを開設しているから見てくれと告げられます。そこで早速フォローしてみると、その日のランチの写真がアップされていました。しかも、その場所は、ボクが20代の頃に住んでいたところ。共通点があったことを伝えたい。でも、イタリア語は話せない。どうしよう、どうしたものか。
そこで、3日前に観ていたテレビ番組を思い出します。そのテレビ番組とは、報道でもなければ、教育でもない。バラエティ番組です。ある女優サンが、海外ロケでフランスに行っていた様子が放送されていました。
この女優サンは、フランス語が堪能なわけではありません。それにもかかわらず、現地の人たちと、スマホを片手に、翻訳アプリを使ってコミュニケーションをとっていたのです。スマホに話しかけた日本語が、アプリの画面にフランス語の翻訳が表示されていました。
いつの間にか、通訳を介すことなく自身で海外の方々とコミュニケーションをとることが、スマホで簡単にできる時代になっていました。こういうときに、テクノロジーのすごさを感じます。もしも、ボクも似たような状況に置かれたときには、スマホの翻訳アプリを使ってコミュニケーションをとってみようと漠然と思っていたのです。まさか、3日後に、似たような状況が訪れるとは。
すかさず、スマホを取り出します。どの翻訳アプリなのかはバラエティ番組で確認できなかったものの、おそらくGoogle翻訳だろうと、それを立ち上げます。やはり「会話」というボタンがあるじゃないですか。そこで、ひっそりとスマホに話しかけてみると、なにやらイタリア語のような文字が表示されるじゃありませんか。
すぐさま、ワインの生産者をつかまえて、ランチの写真を見せました。スマホに日本語で「ここに昔、住んでいました」と話しかけ、表示されたイタリア語を見せると、言いたいことが伝わったようです。イタリア語を知らないのに想いが伝わりました。
彼も返事をしようと話し始めたときに、「ちょっと待って」をポーズします。アプリの話しかけるボタンを押すのを見せながら、スマホを前に差し出す。彼はピンと来たようで、スマホに向かってイタリア語で話し出します。こうして、会話のやりとり、つまりはコミュニケーションが成立したのです。もう、感動しかありませんよ。
その後、ボクのそばで、ワインバーのシェフである日本人がワインの生産者と英語で会話していたときに、英語で会話するのがわずらわしくなったのか、ボクのほうを向いて「トランスレーター!」と叫び、スマホを指しました。翻訳アプリを使ったコミュニケーションに心を動かされたのは、ボクだけではなかったようです。
メーカーズディナーが終わって帰るとき。ワインの生産者に挨拶するときに、今度はスマホを使わずに話しかけました。その場で買ったワインを指しながら、覚えたてのイタリア語、「Perfetto」(ペルフェット)と。意味は「完璧」。喜んでくれましたね。
こんな体験ができたのも、たまたま観ていたバラエティ番組の海外ロケのおかげ。この女優サンにもお礼を言わなきゃですね。ありがとう、広瀬すずサン。