サステナビリティ開示「リスク管理」で確認したいポイント
少しでもポイントを押さえた開示を行いたい。有価証券報告書のサステナビリティ開示をご担当されているなら、そう思っていらっしゃるでしょう。
一方で、必須開示のひとつである「リスク管理」の開示は、書き方が悩ましい面があるのも事実です。開示したサステナビリティ情報に特化したものなのか、あるいは、全社的に統合された中で行っているものなのかによって、書き方も変わってきます。
そこで今回は、FTSE100銘柄の英国企業から、別途、全社的なリスクマネジメントのページを設けながらも、TCFD開示で気候変動に関する「リスク管理」について一定の記載ボリュームで開示している事例を紹介します。もちろん、TCFD推奨開示との関連や開示のポイントなども解説していきます。この海外事例を知ると、サステナビリティ情報を「財務報告」の中で開示することの意味が理解できるでしょう。
また、TCFD開示を踏まえて、財務諸表における気候変動の注記事項がどのように開示されたのかを説明します。さらに、その注記を受けて、監査人は財務諸表監査に気候変動の影響をどのように考慮したかを監査報告書で説明したかについても紹介していきます。
ちなみに、色使いがきれいなアニュアルレポートのため、プレゼンテーションという観点からも学びのある事例です。監査人の監査報告書まで同じテイストのデザインですからね。