「では、このセミナーを受ける目的について紙に書いてください」
ワークショップ型のセミナーでは、こうしてゴール設定をすることがあります。ボクも、そのタイプのセミナーのときには、これを取り入れているもの。
確かに、ゴールを設定すると、欲しい情報をキャッチしやすくなるため、学習効果は高まります。反対に、ゴール設定しないと、セミナーの内容を強弱つけずに受け取ってしまうことになるため、必要だったかもしれないことを取りこぼしてしまいかねません。だから、ワークショップ型のセミナーでは、必ず最初に、この時間を設けています。
ただ、ファシリテーターの側から見ていると、ゴール設定をすぐにできる人もいれば、時間がかかる人もいます。あるいは、うまく設定できないままセミナーに突入してしまう人もいます。
実際、ボクも最初は、こうしたゴール設定が難しいと感じていた一人。座学の授業や研修しか受けた経験がないと、不慣れだったり戸惑ったりして、何か正解があるんじゃないかと慎重に構えすぎてしまいます。
そこで、何かいい方法はないものかと考えていたところ、本屋さんでこの本に出会いました。それは、ビジネスコミニュケーションの研修や講演で活躍している浅田すぐるサンの『すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚!独習法』という書籍。
この本のメインとなる「3Q」アウトプット学習法も役立つのですが、それ以上にハッとさせられたのが、仕事の本質。仕事とは、自己実現ではなく、他者貢献であることを肝に銘じるべきと説きます。
この点について、別のメソッドでは取り込んでいたものの、セミナー冒頭のゴール設定には取り込んでいないことに気づかされました。
なるほど、「このセミナーを受けた何ですか」と尋ねても、自己中心的ではいけないと思ってしまう人にとっては、心理的なブロックがかかってフリーズ状態になってしまいます。それを解除して自由にさせるには、自分以外の誰かに貢献することを念頭に置いたほうが確かに良い。
とすると、神田昌典サンが開発したフューチャーマッピングの方法論、ズバリそのもの。それによれば、何かを考えるときの最初に、120%ハッピーにしたい人を選びます。こうして他者貢献のフレームにスムーズに入れます。
また、自分の学びだと思うと、セミナーの内容をすべて覚えることにフォーカスしがち。しかし、誰かの役に立つことを念頭に置くと、その内容をどう使うかに意識をシフトすることができます。おっ、これ、うまくハマりそう。
来月は新年早々、ワークショップ型の研修を行う予定があります。そのときに、研修前のオリエンテーションで時間をとって、この方法論を取り込んだゴール設定を試してみよう。楽しみ、楽しみ。
P.S.
この本で得られた気づきは、今までしてきたことをうまく活用することが良いっこと。3Qというフレームワークも、セミナーや執筆の際に用いているボクのフレームワークの一部だし(ボクは4つ)、いろいろと親和性がありました。
・浅田すぐる『すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚! 独学法』