ボクは、ある意味、ラッパー。「何、言ってんだ」って。確かに、そう思うかもしれませんね。この話しを証明するには、少しだけお付き合いいただきたい。
個人的な統計によれば、ラップの好きな女性は少ない。もちろん、ラップが大好きな女性はいるのでしょうが、日本の女性を母集団として無作為抽出したときに、ラップが好きかどうかを選り分けたとき、おそらく、好きではないほうが多いと予想しています。
その根拠は、ダジャレ。オヤジギャグとか言われる、アレ。例えば、「布団が吹っ飛んだ~」とか、「コーディネートは、こうでねえと」とか。こういうダジャレやオヤジギャグを嫌い女性は多い。【オヤジ】ギャグと称するほどに、男性固有のものであることが明らか。
だから、男性はついダジャレを言いがちなのに対して、女性はそれを聞いて嫌がる構図。とにかく女性は、ダジャレが嫌いなイメージがあります。ダジャレが面白いかどうかを判断しているのではなく、それを言われた瞬間にシャットアウトしている感じで。
ダジャレの特徴は、語呂合わせ。「布団」と「吹っ飛ん」だったり、「コーディネート」と「こうでねえと」のように、言葉の音をできるだけすべて合わせていきます。
ダジャレだと言葉の音を合わせてもすごいと言われないのですが、別の世界ではすごいと尊敬されます。それは、ラップの世界。ただし、子音までは考えずに、母音を中心として合わせていきます。
ラップって、語尾の一文字だけ合わせるものではない。例えば「~で」「~ね」というように、最後の文字の母音だけ韻を踏む印象があるかもしれません。しかし、ラップの世界は、一文字だけ合わせるなんて、素人の素人。ずぶの素人のレベル。レベルが上がると、何小節も母音を踏んで歌詞でつなげていくのです。
ボクが尊敬している日本のラッパーに、KREVAサンがいらっしゃいます。KICK THE CAN CREWとしてメジャーデビューした後、ソロで活躍している方。一番好きなソロ曲は、「くればいいのに」。そこで、こんなラップの歌詞があります。
なんて いつになく リズミカル
あなたが花ならば 水になるよ
実際に耳で聴いたほうが早いのですが、この歌詞で3つ、韻を踏んでいるのに気づいたでしょうか。
それは、「いつになく」と「リズミカル」と「水になる」。母音でいうと「i・u・i・a・u」。加えて、その間をつなぐ「あなたが花ならば」は、すべて母音が「a」でリズムを刻む役割を担っています。「ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ」という感じ。しかも、その歌詞が意味の持った言葉になっているのです。
すごくないですか~。もし、これがすごいと思ったら、母音だけでなく、子音まで揃える芸当はもっとすごいことになります。それが、ダジャレ。基本的にすべての音を子音まで揃えようとします。
ということは、ダジャレが得意というのは、ある意味、ラッパー。だから、ダジャレを駆使するボクは、ラッパーと言っても過言ではない。えっ、単なるオヤジだろって。まあ、それは置いておいて。
ビジネスに照らすなら、音の響きまで考えてはどうか、ということ。韻を踏むのは、やはり耳に心地が良い。製品名だったり、キャッチフレーズだったりと、何かのフレーズがあるなら、サウンド面まで考慮したほうが良い。
そういう意味では、ボクは五・七・五のリズムを意識しています。このブログのタイトル「ABCバンブー 高みを目指し 学びをシェア」は、五・七・五を重視したネーミング。気づいた人は少ないかもしれませんが。
ボクが大好きなホイチョイ・プロダクションズさんが制作した映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』のタイトルも、実は、五・七・五。ほら、サブタイトルも含めたところで、古来からの響きを大切にしているのです。
ボクが思うに、韻を踏むのは世界共通して訴求するし、また、五・七・五のリズムは日本人に強く訴求します。それを意識したネーミングによって耳に心地よく入ってくるのなら、これをネーミングに活用しない手はない。
そうそう、ネーミングのワークショップも実施できますので、お役に立てるときにはお声がけください。すぐにラッパーが駆けつけますから。