Accounting

『流れとかたち』でコンストラクタル法則を学ぶ

最近、ボクがブログを通じて提唱してきたことは、財務報告の全社一丸対応。有報の前半の記述情報に経営者の視点を盛り込むなら、それが最適だから。これを実現する方法として、ディスクロージャー委員会を設置するのが良いと信じてきました。

 しかし、今朝、読み返した本によって、その想いは打ち砕かれる。その本から得たボクの気づきは、型にはめてはダメ、ということ。

 読み返していた本とは、『流れとかたち――万物のデザインを決める新たな物理法則』(紀伊國屋書店)。

 

著者は、熱工学分野のノーベル賞と呼ばれる「マックス・ヤコブ賞」を受賞した米国デューク大学教授のエイドリアン・ベジャン氏。その中で、「コンストラクタル法則」を提唱しています。

 コンストラクタル法則とは、デザインと進化の物理法則。その意味するところは、次のとおり。

 

有限大の流動系が時の流れの中で存続する(生きる)ためには、その系の配置は、中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない。

 

 ざっくり言えば、生物だろうと無生物だろうと動くものはすべて、もっと容易に動けるように、良く動けるように、遠くまで動けるように進化していく、ということ。この法則は、特定の分野に限定されずに適用される点が革命的と言われています。実際、この本では社会や組織が階層制になるのも、このコンストラクタル法則に基づくものだと説きます。

 だから、昨日までのボクは、この部分を早合点したことから、組織内にディスクロージャー委員会を設ければ、情報の流れが良くなるハズだと解釈していたのです。もちろん、それが当てはまる場合もありますが、すべての組織にとって良い選択肢とは限らない。その理由は、時間軸。

 

 現存している組織は、それぞれの時間軸の中で進化しています。わかりやすいところでは、組織の規模。関わっている人数と言ってもいい。その大きさ次第で、進化の程度、つまりは、情報を流れやすくするポイントは変わってくるのです。

 大きな組織では関わる人も多くなるため、情報の流れをよくするためのデザインは複雑になります。一方で、小さな組織では、単純な階層構造で十分に対応できます。そんな違いがあるにもかかわらず、一律にディスクロージャー委員会を設置すべきという主張は適切ではない。大きな組織では当てはまることもあるものの、小さな組織ではかえって不効率となりかねない。

 組織のデザインは、必ずひとつの形となるべきものではない。組織の構造は時間軸の中で変化していくため、その時々によって、最適な流れが変わるから。だから、1つの型にはめるのではなく、現状の流れをみたうえでデザインしていく必要があるのです。

 

 となると、全社一丸対応の財務報告のためには、ディスクロージャー委員会という型じゃなくて、どこに流れが悪くなっているかを突き止めたほうが良い。この本で言われているのは、硬直な階層制から自由に流れる階層制が選ばれるため、独裁制は続かないと。

 その時々に応じて、よりスムーズに、自由に、遠くまで流れるように組織をデザインできるなら、その組織は発展していける。そのためにコンストラクタル法則をもっと活用すべき。本に加えて、著者御本人からお話しが聞けるとより理解が進む。

 実は今、この本の著者であるエイドリアン・ベジャン氏が来日しています。その記念イベントとして、今日の午後には、新刊の『流れといのち──万物の進化を支配するコンストラクタル法則』(紀伊國屋書店)を題材としたリードフォーアクション読書会と、神田昌典サンとの対談講演が開催されます。これはもう、参加しない理由はないでしょ。

 これに参加したボクの主張は、一体、どう変化しているか。コンストラクタル法則に基づき進化したボクを、乞うご期待。

 

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