Business model

『新世界』から収入の複数化を学ぶ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

ひとつのビジネスでは収入が大きくないので、複数のビジネスを手掛けようか。でも、今と違う何かをするのも大変。さあ、どうしよう。

あなたがもし、そんな風に悩んでいるとしたら、今日、お話しする内容から大きな気づきが得られるかもしれませんよ。

今日は、西野亮廣サンの『新世界』(KADOKAWA)を読み返していました。正確に言うと、ネットで全文無料で公開されていたものを読んでいました。それについては、ブログ記事「ブログの目的に純化してみました」に記載したとおり。あまりにも内容が良かったために、その後、本を購入しました。ただ、紙媒体としては積ん読の状態であったため、改めて読み返したというワケ。

読んでいるけど、読んでいない。読んでいないけど、読んでいる。なんだか、禅問答のような感じになってきました。

こうして久しぶりに読んだときに、注目した表現がありました。それは、「ダイレクト課金」という言葉。

西野亮廣サンは、以前に、テレビ番組を打ち切られた経験があったとのこと。視聴率は良かったのにもかかわらず、テレビ局の意向で。そのときに、仕事を失ったスタッフを守れなかったと話します。

これはテレビの世界だけではなくても、上の方針やスポンサーの気持ちに振り回されない方法を探った結果、今のオンラインサロンに行き着いたそうです。このオンラインサロンのように、スポンサーや事務所からではなく、お客さんから直接支援していただけることを指して「ダイレクト課金」と呼んでいるのです。

ただ、ボクはこの言葉を課金方式だけに着目すると、彼の活動の本質を見誤ると考えています。その本質とは、何か1つに依存すること。

前にもブログでお話ししたとおり、ビジネスで危険な数字は、1。つまり、たったひとつのことに賭けるのはギャンブルだということ。これは、収入の流れでも同じ。収入が発生する流れが、ひとつの会社からだけなのか、あるいは、複数からなのか。

ひとつの収入の流れでは、そこが細ったり、ポシャったりすると、ビジネスの持続可能性に黄色信号が点滅します。だから、複数の流れがあった方が、ビジネスに安定をもたらします。また、自分の好きなことをやり続けられる。

こうした観点からは、ビジネスで提供する価値に対する対価をお客さんから直接、いただくことよりも、複数の収入の流れを確保したことの方が重要。

しかも、ひとつひとつの収入は小さくても、圧倒的に多くの流れを集められるならば、収入の総額として安定度が増します。小さな収入が出来たり、なくなったりしても、収入の総額が大きければ、影響を受けにくくなるからです。

さらに、オンラインサロンという方法で気づきがあったのは、複数の収入の流れを得るのに、それそれ別のことをしなくても良いこと。収入の流れを増やそうとすると、こちらが提供する価値も変えないといけないと思い込みがち。今までとは違うお客さんを得るには、今までと違う価値を提供しなければならない、と。

でも、オンラインサロンのように、同じ価値を提供していても、そこに参加する人が増えれば、収入の流れを太くしていくことができます。

もっと言えば、今、提供している価値を今までよりも多くの人に届けられるように工夫する方法もあるのです。1対nの関係が成り立つビジネスでは、これがやりやすい。あるいは、1対nの関係が成り立つようにビジネスモデルを変革していく。

ビジネスの種類によって事情が異なるのでしょうが、ここから何か突破口となるヒントが得られるかもしれません。その先に広がっている「新世界」に行ってみませんか。

会計基準は「考えるな、感じろ」前のページ

ラグビーW杯からマーケティングの工夫を学ぶ次のページ

関連記事

  1. Business model

    技術は進むよ、どこまでも

    今日、とある講演で、最新のテクノロジーを聞く機会がありました。とにかく…

  2. Business model

    なぜ、ない? メンバーごとのライブ映像

    ぜひ、あって欲しいもの。それは、ミュージシャンのライブ映像で、それぞ…

  3. Business model

    森高千里サンから学ぶ言葉の使い方

    今日は、朝から頭の中にヘビーローテションで流れていたのは、森高千里サ…

  4. Business model

    謝罪する側、謝罪される側で意識したい軸

    随分と前に、謝罪の体験があります。謝罪される側もあれば、謝罪する側も…

  5. Business model

    スマホ忘れはビジネスリスクか

     今日は、スマホを忘れて外に。それに気づいたのは、職場に着いて席に座…

  6. Business model

    今後の音楽ライブは2つの顧客セグメントを持て

    今日は嬉しいことがありました。ボクの大好きなバンド「ジェニーハイ」の…

  1. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.024 三井不動産、あずさ
  2. Accounting

    後発事象のエンドは誰が決めるか
  3. Accounting

    有報・記述情報と新型コロナウイルス
  4. Accounting

    『稼ぐ人の「超速」文章術』に学ぶ自由な文章の作り方
  5. Accounting

    資本コストやファイナンス理論を理解するための最初の3冊
PAGE TOP