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別の解釈を勝手に加えては、メッセージは届かない

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

あなたが何かを説明するときに、気をつけるべきこと。それは、社内でちょっとした説明をするときかもしれません。あるいは、セミナーや研修の講師として解説をするときかもしれません。

 このことを誤ってしまうと、話を聞いている人が混乱してしまいます。その混乱が解消されなければ、後の説明が耳に入ってこない。これは、話し手として困ります。

 今日、そんな混乱を体験しました。ある説明をしている人が、この誤りをしてしまったのです。だから、ボクはそれが気になって気になって、しょーがない。その後の説明に集中できませんでした。

 その誤りとは、よく知られている概念を使って説明するときには、別の解釈にしないこと。ビジネスで見聞きするフレームワークがありますよね。今日、ボクが聞いていた説明に登場したのが、「時間管理のマトリックス」。

 これは、リーダーシップ研究の第一人者であるスティーブン・R. コヴィー氏の著書『7つの習慣-成功には原則があった!』(キングベアー出版)で、「第3の習慣 最優先事項を優先する」として紹介されているもの。緊急度と重要度の2軸で作った4つの象限に応じて優先度を決めたうえで、優先度の高い象限に該当するものに対して時間をできるだけかけることを説いたもの。

 4つの象限のうち「緊急かつ重要」な事項に、多くの人が振り回されている。しかし、時間管理の観点からは、「緊急ではないけど重要」な事項が最も優先度の高い。だから、ここにより多くの時間を配分していくのです。

 確かに、緊急な状況では時間がないことから、十分な検討ができません。そのため、限られた選択肢しか残されていないことも少なくない。だから、最善の結果を出すために、時間をかけて検討することで、差し迫った状況に置かれることを避けましょう、ということ。そんな文脈で、この時間管理のマトリックスは使われます。

 ところが、今日、聞いた説明では、別の解釈になっていました。最も優先度が高い「緊急ではないけど重要」な事項に時間配分していく説明までは、問題ありませんでした。「そうだよね、あの本にはそう書いてあるよね」と、うんうんと頷きながら聞いていました。

 で、問題はその後に起きました。説明をしていた人が、こう続けたのです。「でも、緊急なことに追われてしまう。だから、緊急ではないけど重要な事項について、締切りを設けると良い。すると、緊急かつ重要な事項にシフトするので、大丈夫だ」と。

 えっ、そんな解釈って、あったっけ。えっ、えっ。

 もう、ハテナ・マークが頭のうえに100万個、浮かびましたよ。締切りを設けて「緊急ではないけど重要」な事項を考えさせるためのフレームワークじゃないハズ。そんな新解釈をさも当然のように使われても、聞いている方は困ってしまう。

 この体験から学べることは、誰もが知っている概念を使うときには、決して別の解釈に基づいて説明しないこと。混乱を招くだけです。その結果、あなたが伝えたいメッセージが届きにくくなるのです。

 もっと言えば、手垢のついた言葉は使わないほうが良い。最近、ある人から聞いた話が、「セミナー」という単語が、もうアウト。

 平日の夕方や土日に、勉強会やセミナー、研修に参加するような自己研鑽に熱心なビジネスパーソンにとっては、何も違和感を覚えない言葉。ボクもこのブログでガンガンに使っています。

 しかし、一般的には「セミナー」と聞くと「怪しい」と思うほうが多いとのこと。そう言われると、何か売りつけられたり、勧誘されてお金を取られたりするようなイメージを思い起こせる言葉かも。指摘されて、ハッとしました。

 こうした普段使われる言葉ほど、いろんな人がいろんな意味をつけている。こちらがAという意味で使っていても、聞いている人にはBという意味を思い出しているかもしれない。これじゃ、伝えたいメッセージが届くわけない。

 なので、常日頃から、言葉に対して気を使う必要があります。相手が別の解釈でとらえていると感じたときには、もう緊急度が最大限に高まっていますからね。

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