今日は、若い子とキャリアについて話す機会がありました。二十歳になる男の子。とあるご縁で、彼にどんな進む道があるのか、ビジネスは今、どんなふうに動いているのかなどについてお話ししました。
そんな話をして痛感したのは、選択肢を持つことが大事、ってこと。言い換えると、自由を持つこと。ある局面に立ったときに、どこにでも進める状況を作っておくのが良い。
よく、ビジネスやキャリアで言われるのが、重要度と緊急度のマトリックス。重要かつ緊急なことに追われてしまっている状況があります。例えば、今月中にしなければならない。来週には片付ける必要がある。明日には答えを出すことが求められている。
最近では、来年の夏のオリンピックの影響。これは、以前にブログ記事「まだ騒がれていない、東京オリンピックの決算インパクト」で説明したとおり。
都心の朝の通勤を思い出してみてください。今でも、あんなに混雑しています。今朝も大変だったでしょ、あの人権を無視したような満員電車。その混雑に加えて、オリンピックの関係者や観客なども電車に乗ってくるのです。
その結果、まともに出勤、出社できないことも容易に想像できる。これに対処するために、すでに在宅勤務などを検討したりトライしたりしている会社があります。ある経営者にこの話をしても、「ウチには関係ない」とひどく楽観的。きっと、来年の春先から急に慌てだすのでしょうね。
こんな具合に、とても重要な事項でありながらも、そのために検討する時間が残されていないのです。望まれるのは、緊急ではない重要なことに取り組むこと。重要な事項に対して十分な時間をかけて検討し、試行し、形にしていく。で、それがいざ必要となる時期には、慌てることなく対処できる状態になっている。
このマトリックスのポイントは、選択肢の多さだと考えます。たったひとつの選択肢しか残されていない状態では、不本意な結論を飲まざるを得ないケースもあります。あるいは、プランBさえも許されずに、たったひとつのプランAだけを実行せざるを得ないケースもあるでしょう。
それに対して、いくつも選択肢がある状態のほうが良い。プランBどころかプランCやプランDまでカードを持てることがあります。また、それらを一斉に実行することも選べます。さまざまなアクションを選べたり、一度の多くのアクションができたりするほうが、はるかに成功確率は高まります。
このように複数の選択肢を持つためには、時間があった状態のほうが、調査も検討も準備もできます。緊急ではないときに重要な事項についてじっくりと考えることが、ビジネスやキャリアにとって極めて有益。その結果、より自由な道を歩むことができるのです。
そんなことを思いながら、彼が選択肢を持つことができるための話を提供しました。もちろん、まだ若く、ビジネスのことを知る機会も少ないため、選択肢を持つ以前の状態。だから、今のビジネスはこんな感じで進んでいるよ、と精一杯、伝えました。
今日のボクの話のどこに刺さったのかはわかりませんが、彼にとって少しでも選択肢を増やすことにつながる機会になったなら嬉しい。なにせ、可能性だらけの若者ですから。