徒然なるままに、テレビを見ていたら、映画『アナと雪の女王2』の特集が組まれていました。なんと、この映画のアニメーションスーパーバイザーを務めたマイケル・ウッドサイド氏が出演。映画制作の裏側について解説していましたよ。
その制作秘話の中で、スライド作りに役立つヒントがありました。セミナーや研修でスクリーンに映写するスライドを作るにあたって大いに活用できるテクニックが披露されていたのです。
ほら、写真を背景にしたスライドのときに、文字が目立たなくなった経験はないでしょうか。伝えたい内容を象徴するような写真を使いたいのだけれど、そのスライドに記載したい文字が背景に埋もれてしまったことが。
この対処として、文字の縁の色を変えたり、線を太くしたりする方法があります。確かに、これによって背景の写真と違うことが強調されます。しかし、それでは文字の表現が必要以上に強くなってしまいます。ニュアンスが少し違うのです。
で、別の対処として、四角形の図形を使うことがあります。例えば、スライドの表紙だとすると、濃い色をつけた四角形を中央に配置するのです。その図形の中に文字を記入すれば、写真に埋もれることはありません。ただ、背景の写真が隠れてしまう。透かしをいれても、やはり四角形の後ろの部分は写真が隠れてしまいます。
そこで、アナ雪のテクニックの登場です。アナ雪の1では、季節の設定が冬でした。雪景色を背景にすることが多いため、バックの色は白。登場人物が背景の色に埋もれることはありません。
ところが、アナ雪の2では、季節の設定が秋。紅葉が背景のため、バックの色は赤や黄色が多くなります。こうした強い色がバックだと、登場人物がその色に埋もれてしまう結果、目立たなくなる。この悩みを解決することが求められたのです。
これって、スライド資料で背景に写真を使ったときの悩みと同じ。アナ雪2が解消したテクニックを知ると、ボクらの悩みも解決できそうじゃありませんか。
アナ雪2が使った技は、背景に霧をかけたこと。紅葉が背景のときに、その山に霧がかかったような表現にしたのです。これによって、紅葉の赤や黄色が薄くなります。すると、登場人物が背景の色に埋もれなくすることができるのです。
すると、ボクらの悩みも、スライドに霧をかければ解決できます。霧をかけるテクニックを転用すればよいのです。とはいえ、実際に霧をかけることはできません。じゃあ、どうすればよいか。
要は、霧がかかったようになれば良い。だったら、背景の写真を白っぽくすれば解決ですよね。具体的には、次の手3ステップ。
1.写真と同じサイズの四角形の図形を作る。それを写真の上に合わせる。
2.四角形の図形は、白色に設定する。
3.白色の薄さを調整して、透けて見えるようにする。
こうすることで、霧をかけたようなテクニックを再現することができます。アナ雪2で使われた技によって、文字が背景の写真に埋もれなくできるのです。
最近、ボクはこの技をよく使っています。例えば、今回のブログの写真。これは、今度、開催する「有報・記述情報の勉強会」のスライドの表紙。クリスマス・イブに開催するため、それっぽい写真を背景に設定。その上にタイトルを記載したい。そこで、それらの間に、白色の四角形を挟み込み、かつ、薄さを調整したのです。
吉田兼好による『徒然草』には、「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」と記述されています。小さなことにも先輩や案内人があってほしい、という意味。
セミナー資料の表紙という1ページのことであっても、詳しい人がいると助かります。あなたの役に立ったでしょうか。