来月は、後発事象をテーマにしたセミナーで講師を務めます。主催は、株式会社プロネクサスさん。上場企業の開示を支えている企業のひとつ。開示を支援している企業で、レアでコアな開示の論点である「後発事象」について話せるのは光栄なこと。
過去を振りかえると、2015年2月、2016年2月、9月、2017年3月、10月と5度の開催を重ねてきました。来月の開催で6回目。後発事象でここまで続けられるとは、思いもしませんでしたよ。
セミナーのベースとしているのは、拙著『後発事象の実務』(中央経済社)。2012年に発売しているため、今から9年以上も前のこと。それにもかかわらず、2020年になった今でもセミナーとして成立していることが嬉しい。
これまで開催した5度のセミナー資料は、毎回、更新しています。掲載しているデータを最新版に置き換えるのはもちろんのこと、そうではない箇所についても前回の反省を踏まえて、どこかに手を加えてきました。
来月のセミナー資料も、見直しを図っています。今回の主な改定箇所は、次の3点。
1点目は、基礎知識の定着を図るためのスライドを追加しました。これまで第Ⅰ部の「後発事象の理解」では、ひたすら説明するだけ。1時間近く聞くだけのパートとなってしまうため、一工夫したい。
そこで、説明した内容がどこまで理解しているかを確かめるための時間を設ける予定。これによって、単に「知っている」という状態にとどまることを回避します。テキストを見ることなく実務で使えるようになるために、「できる」という状態にまで進めるのです。
2点目は、後発事象が生じた旨の文章の書き方の説明スライドの補足。第Ⅱ部の「頻出する開示後発事象の記載例」では、実際に後発事象を記載していくワークを用意しています。それを行うにあたって、必要になるスキル。
これについて、開催の初期の頃は、スライドも用意して説明していました。本の内容に沿って、丁寧に解説を行っていたのです。ただ、セミナーの進行上、冗長な印象もあったため、開催の後半からはシンプルにしました。
しかし、この説明は、実際に開示後発事象を記載するにあたってキモとなるところ。あっさりとした解説によって、この部分の重要さが伝えきれていない感覚もありました。そこで、開催の初期とは違う形で、説明スライドを新たに作成しました。
3点目は、ディスクロージャー委員会の解説の充実。第Ⅲ部の「後発事象に対応できる社内体制」では、全社一丸「営業」ならぬ、全社一丸財務報告の必要性について、後発事象の観点から説いていきます。
前回のセミナーまでは本の内容に基づき解説していました。ところが、最近、ディスクロージャー委員会について整理し直した機会があったため、それを今回のセミナーでお伝えしたいと考えました。
こうして配布資料を更新したセミナーは、次のとおり、開催されます。
===
■開催日時 :2020年2月20日(木)14:00~17:00(開場13:30)
(Web視聴:2020年2月28日(金)10:00~3月27日(金)17:00)
■開催場所 :株式会社プロネクサス セミナールーム
■受講対象者 :経理財務・決算開示部門の管理責任者・担当者、監査役 等
■プログラム :後発事象の理解、頻出する開示後発事象の記載例、後発事象に対応できる社内体制
▶▶▶申込みはこちらをクリックしてください(お問い合わせもこちら)
===
今回、更新した「後発事象が生じた旨の文章の書き方の説明」で得られるスキルは、後発事象だけではなく、有価証券報告書の記述情報の充実にも活用できます。企業に固有の情報を記述するために、ゼロから文章を作成する局面もあるでしょう。そんなときに大いに役立つと思います。
また、有価証券報告書の記述情報の充実に加えて、KAMの対応でも、全社一丸財務報告の体制は不可欠。それを実現する方法のひとつが、ディスクロージャー委員会だと確信しています。時間は短いながらも、そのエッセンスを理解できる機会でもあります。
ピンと来た方は、お申し込みいただき、会場にお越しください。当日の参加が厳しい場合には、後日のWeb視聴をご利用できます。レアでコアなテーマで、あなたとお会いできるのを楽しみにしています。