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ボクらがビジネスで学び続ける理由

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

コロナ騒動が起きる前のこと。男女の知人と飲みに行きました。この二人、ボクが会う前からの知り合いで仲が良く、まるで漫才でも見ているかのように楽しい。そのときも、ファッションの話で盛り上がっていました。

 知人男性が、最近、あるファッションアドバイザーによるビジネス書を読み漁っているとのこと。彼は、それまでファッションにまったく興味がなかった人。その本をたまたま手にしたところ、着こなしを理詰めで解説していたことから、面白くなったそうで。

 ファッションって、センスと言われるように感覚がすべてのような印象があります。上下の組み合わせだったり、配色の使い方だったり、小物との合わせ方だったりと。なんとなくのフィーリングで決まってくるような気がしがち。

 もちろん、最先端を走るようなファッションでは、センスが必要な場合もあるでしょう。従来の延長線上にはない着こなし方をするために、まったく新しい発想をひらめくことが求められると。

 しかし、そうではない一般的な着こなしの場合、そこまでセンスで勝負する必要はない。成功を追い求めるのではなく、失敗を回避する。大きな外し方をしない、いわゆる安全な、しかし格好悪くもならないための理論が存在する。その理論の再現性に知人男性は驚いたのです。

 彼がそれを興奮しながら話をしているのを聞いて、知人女性はひとこと、「そんなの、当たり前じゃないの」と一蹴。むしろ、「えっ、男の人って、そんなことも分かっていないの」と呆れた様子。「一体、今まで何を見てきたの」と言わんばかりに。

 こんな彼女の言い分は、果たして正しいのでしょうか、それとも、間違っているのでしょうか。その答えは、正しい部分もあれば、間違っている部分もある。

 確かに、ファッションをたくさん見ることによって、センスが磨かれていくでしょう。何十年も生きていれば、とんでもない数のファッションを見てきたハズ。成功例もあれば、失敗例もある。散々、見てきたなら、少しはセンスが身についてもおかしくはない。

 しかし、それはファッションの成功または失敗に関心をもって見ていたときの話。知人女性のように、「あっ、この人のファッションはここが良い」「あの人のファッションはあれを直すべき」と評価をし続けきたから。また、評価できるほどの知識を得る労力もかけている。

 それに対して、知人男性は興味がないため、ファッションの細かいところに目が行くこともなく、また、積極的に知識を得ようともしていない。そんな状態でファッションを眺めたところで、センスが養われることは期待できません。

 ただ、そんな応用レベルではなくても、基礎レベルなら一定の方程式が存在する。それに基づけば、不合格とはならない水準でファッションを着こなすことができるのです。

 これを税務で例えるなら、ファッションのセンスとは、税務訴訟のような内容。そこまで高度な判断ではなく、租税法や通達などに明記されているような基礎的な内容すら知らない状態のため、一定の知識を得たなら、ある程度の実務は行える。そういう感じ。

 ちなみに、知人男性はファッションの理論を得たことから、最近では電車や街の中で他人がどんなファッションをしているかをチェックするのがクセになったとのこと。また、服の見方がわかったため、衣料品店に行っても楽しいと思えるようです。

 だから、ボクらは学び続ける必要がある。ビジネスでも興味のあることを追求していくのが良い。ビジネスの見え方ががらりと変わる瞬間がやってきますから。

 そこまで言われると、ボクもその本のことが気になります。その著者の本を読んでみたいと思っていたため、知人男性から何冊かオススメを教えてもらいました。そのうちボクがファッションについて語りだしたら、このときの飲み会がきっかけです、きっと。

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