Business model

ビジネスモデルの根幹を成すのは顧客の特定

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

学び続けることで、新たな気づきが得られますね。先日も、それを痛感する出来事がありました。といっても、大層なことではありません。読書。本を読んでのことです。

 

 その本は、マーケティングに関する本。40年間一貫してダイレクト・マーケッターとして活躍してきたブライアン・カーツ氏による『OVERDELIVERダイレクト・レスポンス広告の成功原則』(ダイレクト出版)です。

 少し前から手にしていたものの、積ん読の状態でした。というのも、ダイレクト・レスポンス広告に関する書籍は山のように読んできたため、勝手に「また、同じような内容なんだろうな」と決めつけていたのです。書いてあることは既に知っているはずだと、高を括っていました。

 しかし、いざ読んでみると、大きな誤解、慢心であったことを思い知らされます。結局、何かから学べないのは、自分の責任。学ぼうとしなければ、学べないのです。

 

 この本からの学びは、誰に役立とうとするのか、これがビジネスの基本かつスタート、ということ。何も目新しいことではありませんが、ここを外すとビジネスも失敗する確率が大幅に高まってしまいます。

 何かビジネスを始めようとか、今のビジネスを見直そうとするときに、提供するサービスや製品を受け取る「顧客」を特定することが大事。ペルソナ的な架空の人物よりも、実在する人物のほうがより効果的。その人が何を話すかを知っているから。

 

 ペルソナ的に想定した人物であっても、何を話すかを想像することはできます。それが立ち上げよう、見直そうとするビジネスに良い影響を与えることもあるでしょう。

 しかし、ビジネスを行おうとする側が想像するため、自分達にとって都合の良い発言を思い浮かべる可能性もあります。これから提供しようとするサービスや製品の良い面しか捉えない結果、いざローンチすると誰も見向きもしない。これって、最悪な結末です。

 この本の著者が手掛けた本に、広告業界における6人の伝説的な人物を取り上げながら、核となるマーケティングの原理を導いた作品があります。この執筆にあたって驚いたこととして、次のように紹介しています。

 

処女作を執筆していて驚いたのだが、私が取り上げていた6人のコピーライターが6人とも、自分のオーディエンスを知ることに極めて強い関心を抱いていた――全員が、何にも増してコピーライターとして有名だったにもかかわらずだ。

 

 どんなに成功を収め、生活が変わったとしても、このように顧客(文中では「オーディエンス」)を知ろうとしていたのかが理解できます。広告の対象となる人たちが何を読んでいるか、何を体験しているか、どのような生活を送っているのかについて知る努力を惜しまない。

 確かに、サービスや製品を提供する相手を特定できなければ、チャネルも変わるし、関係性の築き方も変わります。得ようとする収入のもらい方も変わることもあるでしょう。顧客を特定できなければ、このようにビジネスモデルのあちこちでアンマッチな状態を生んでしまうのです。

 だから、サービスや製品を提供しようとする相手が誰なのかを特定することは、ビジネスの根幹となる最も大切なポイント。当たり前のようで、何気にできていないのかもしれません。

 

 執筆やセミナー、研修でも同じ。誰に向けて提供するかがブレてしまうと、何でもかんでも詰め込んでしまいがち。使う言葉も上っ面をなぞるようになるため、核心をつけない。何も伝わらない結果になります。

 そこで提案したいのが、「これを◯◯さんに捧げます」という文章を書くこと。たまに、これが表紙をめくったページに記載されている本がありますよね。映画でもあったかもしれません。これを利用するのです。

 この空欄の箇所に実在の人物の名前を記入します。これを目に見えるところに置いておけば、否が応でもその人のことを意識せざるを得ません。少し忘れたとしても、改めて目にすれば、「あっ、◯◯さんに向けたコンテンツだった」と再認識することができます。

 

 例えば、ワープロを打って執筆するなら、画面の分割機能を使うことで、この文章を常に上に表示させることができます。ちなみに、今回のブログでは、この方法を使って作成しました。いつもよりも感じるところがあったのなら、大成功。ぜひ、お試しください。

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