小さな頃に誰もが聴いていた歌に、「南の島のカメハメハ大王」があります。この歌が幼少期に染み込んでいるためか、歌詞の威力が企業活動にも影響を与えています。「そんなの、考えすぎた」と笑うなら、最後まで話を聞いて欲しい。
この歌には、次のような歌詞があります。
雨が降ったらお休みで
これを聴いていた当時、幼心にも「随分と身勝手だな」と感じていたものでした。雨が降っただけで、休んじゃうのですよ。企業にお勤めのビジネスパーソンが、果たして、雨が降ったからといって仕事を休めるでしょうか。
多くのビジネスパーソンは、「No」と返答するでしょう。だからこそ、大雨が降っていても、大雪になっても、台風が近づいていても、いつもどおりに通勤しようとして満員電車に乗り込もうとする。そんな経験を一度や二度はしているハズ。
満員電車も時刻通りには運転していないため、ホームどころか、駅の改札口にさえ入場できないことも稀じゃない。会社に行くだけで数時間を費やしてしまう。疲れ果てて出社しても、生産性は上がらない。で、疲れたまま帰路につく。
こんな状況は、企業活動に何も良い面はありません。でも、自然災害はやってくる。どうすることもできない。これは、最近までの考え方でした。まさに、「雨が降ったらお休み」のような状態。
しかし、新型コロナウイルスが働き方を一変させました。どの企業も一斉に在宅勤務に突入したから。テレワークによって会社に行かずとも働くことができたのです。もちろん、一部制限があったかもしれませんが、それでもテレワークが可能な範囲があることを誰もが体験できた貴重な時間でした。
朝、起きてから、外に出ることなく、つまりは、あの満員電車に押し込められることなく、仕事に着手できる経験をしました。あのストレスを感じることなく、すっきりとした状態で仕事が行えたのです。また、それで乗り切れた部分もあったことを体感したのです。
これ、「雨が降ったらお休み」という状態を回避できることを意味しています。自然災害によって通常の通勤ができないことが見込めるときに、テレワークを実施することによって、その部分は休業状態にならないのです。企業活動を継続することが可能になります。
これまでは、大型の台風が通勤時間帯に近づくことが見込まれると、それを回避するために、仕事の開始時間を遅らせたり、終わりの時間を早めたりして、混乱しないように工夫してきました。そんなアラートを出す企業がニュースで紹介されることもあったほど。
それが今後は、テレワークによって、仕事を止めないで済みます。企業活動が持続可能になるのです。どんなに大雨が降ろうと、台風が近づこうと、通信環境さえ止まらなければ、普段どおりのビジネスが行えるのです。
テレワークという方法を手にしたボクらは、幼い頃に刷り込まれた「南の島のカメハメハ大王」の歌詞から、すでに開放されています。天気が何だろうが、ビジネスを止めなくても良いのです。もう、あの歌詞は忘れ去るべき。過去の話ですからね。
緊急事態宣言が解除されたからといって、テレワークという手段を捨て去って通常の通勤形態に振り戻っている会社は、頭を切り替えないとダメ。もう、そんな時代ではありません。
時代は変革しています。せっかく新型コロナウイルスによって変革の予行練習を経験したのに、それを捨て去るのはモッタイナイ。変革の波に乗りましょうよ。一度、波に乗っているのですから、二度目も必ずできますから。