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『書くのがしんどい』からSNSのプロフィールを学ぶ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

あなたは、SNSのプロフィールをどのように作っていますか。それは、再現性のある方法論に基づいているでしょうか。

 ボクは、プロフィールを書く機会が比較的多い方だと思います。本を書くたびに、セミナーを行うたびに、専門誌に寄稿するたびに書き換えています。というのも、それぞれのメッセージを伝える機会に適した内容で記載する必要があるから。

 例えば、会計の本を書くときに、会計とは異なる経歴を書いても意味がありません。たとえ、それがどんなに素晴らしいものであっても、何か受賞していたとしても、本の内容に関係がなければ、プロフィールに書き込む理由はありません。

 このように個々の機会に用いるプロフィールは思うような内容で書いてきたのですが、SNS用のプロフィールはどうもしっくりと来ない。根本原因としては、さまざまな情報を発信しているため、記載内容が散漫になってしまうことが挙げられます。

 とはいえ、いくつもアカウントを運用することも現実的ではなく、また、特化した内容に絞り込むほどにビジネスライクにはしたくない。どうしたものかと悩んでいたときに、SNSで使えるプロフィールの書き方に出会いました。たった3つのことを盛り込むだけで、効果的なプロフィールが書けるというのです。

 それが紹介されていたのは、SNS時代の「伝わる文章」を探求する編集者の竹村俊助サンによる『書くのがしんどい』(PHP研究所)という本。書くことにまつわる6つの「しんどい」ことを克服するための方法論を説いたものです。 

 この中で、「信頼されるプロフィールをつくろう」という見出しで、SNSを前提としたプロフィールづくりが説明されています。具体的には、次の3点を盛り込むことが大切だといいます。

①信頼性 ②コンテンツ ③愛嬌

 ボクが刺さったのは、3点目の愛嬌でした。この愛嬌は、ボクのプロフィールにはなかったのです。著者のプロフィールでは、末尾に「ポテトサラダが好き。」と添えられています。

 確かに、ちょっとしたプライベート情報が記載されていると、親しみを感じさせます。経歴や実績以外の部分としてパーソナルな情報があると、人柄が伝わってきます。

 また、「どうだ」と言わんばかりの経歴で埋め尽くされていると、近寄りがたい印象を与えかねません。少しでもすごい人物に見せようと完璧な人物像を描きがちですが、それはかえって逆効果になることがあるのです。

 パーソナルな部分を開示しているため、そうではないプロフィールと比べて、読み手はその人をより知っている感が高まります。これはファンになってもらえる可能性が高まることを意味します。

 よくよく考えてみると、100%完璧な人間だと、つまらなく感じてしまいます。かといってビジネスの面で抜けている感じを出しては元も子もない。そこでパーソナルな部分で愛嬌を示すのが最適なのです。

 あまりにも納得したので、ボクのSNSのプロフィールを次のように書き換えました。

公認会計士。財務報告の専門家として、 経営者の想いを伝えて利用者との対話を促す財務報告の在り方を探究している。著書に『ダイアローグ・ディスクロージャー』(同文舘出版)の他、『後発事象の実務』『繰延税金資産の回収可能性の実務』(以上、中央経済社)など多数。居酒屋でハムカツを見つけると、つい、注文してしまいます。

 ハムカツのくだりで愛嬌を差し込んでみました。いかがでしょうか。ただ、これは本当の話。居酒屋に入ったときにメニューに「ハムカツ」の文字を見ると、注文せずにはいられなくなるのです。

 面白いのは、一緒に飲んでいる相手もハムカツが好きなことが多いこと。あれ、合わせてくれているのかな。でも、結構、箸を伸ばしているので、本当に好きなんだと思う。

 まあ、それはさておき、ボクのプライベートな顔をプロフィールで出してみました。親しみを感じてもらえたなら嬉しいです。

 そうそう、SNSのプロフィールで、1点、注意があります。それは媒体によって、文字数の上限が異なること。ボクは最初にTwitterで作成したのですが、その後、Facebookなどにも同じ記載をしたところ、文字数オーバーとなってしまいました。

 最小限の文字数に合わせる方法もあるのでしょうが、ボクはTwitterをベースにして、適宜、削っていく方法をお勧めします。せっかく文字数を使える媒体で、無理に文字数を減らす必要はありませんからね。

 今年の夏休みは、例年とは違って、時間に余裕がとれる方も多いでしょう。ぜひ、この機会に、SNSのプロフィールを見直してみてはいかがでしょうか。

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