Accounting

ワンランク上の決算資料の特徴

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

人は、問題が大きくならなければ、改善しようとはしない生き物。そもそも問題に気づいていない場合や、気づいても即座に解決すべきと感じていない場合には、現状のままで進もうとします。

これは、決算資料も同じ。企業の経理の方々は、決算の資料を作成するときに、基本的には前回のものを踏襲して作成していくでしょう。前回もそれで決算を乗り越えたのだから、今回も同じように作成すれば良いと考えるのが自然の流れだからです。

●改善の余地がある決算資料

ところが、監査人の立場から決算資料をみたときに、改善できる部分に気づくことがあります。例えば、次のような感想を抱くことがあるのです。

「この情報はもう不要だから作らなくても良いのに・・・」
「あと、これがあれば何も質問する必要がないんだけれど・・・」
「こういうフォームにすれば、開示で作っている資料が要らなくなるんだけど・・・」

監査人がこのように感じている一方で、経理の方々が同じようには感じていません。その理由は、他社の決算資料と比較することがない、比較できたとしても監査人ほどには比較対象を持っていないから。そのため、前回の決算資料で問題が生じない限り、それを見直すインセンティブがないのです。

●決算資料に文章が記載されているか

もちろん、すべてがダメだとは言っていません。確かに、勘定科目を構成する決算資料のうち一部については、エラーを防止できたり、開示に直結したりするものもあります。ただ、勘定科目という階層では、不足している、重複している事項があるのも事実。

特に問題なのは、定性情報が記載されていないこと。数字だけ、表だけの決算資料のため、次回に担当する人が代わると、何をしているのかがわからなくなるのです。考え方や前提、やり方、情報源、増減理由などが文章で記載されていると、他の方が検討しやすくなります。

これが記載されていなくも問題にならなかったのは、出社していたため。すぐ横に同僚や上司が座っているため、気軽に質問や相談ができたからです。

●テレワークで噴出しそうな問題点

これに対して、テレワークで決算を進めていくと、時間に余裕がない中で、ひとり黙々と作業をしなければなりません。周りに遠慮してしまうと、すぐには聞けないこともあります。

一言確かめれば済んでいたものが、その場で解消できないために、間違えたまま進んでしまう。監査人にエラーを指摘された結果、遡って直す状況に陥るのです。

決算資料について、不要な作業をなくし、かつ、定性情報を加えること。これができると、テレワークの下でも決算作業が円滑に進み、また、監査対応も軽減すると期待できます。

そのためには、会計処理と開示と記述情報とを分断して個々に検討することなく、一気通貫する必要があります。最終的なゴールを見据えたときに、決算資料に織り込むべき情報が自ずと整理されます。

●監査人としての知見

ボクは会計監査を行っていたときには、開示をゴールとした監査調書の作成に務めていたため、こういう観点で情報を整理してきました。例えば、未払法人税等や繰延税金資産の決算資料で必要なもの、固定資産の減損に関する決算資料で必要なものを研究、実践し続けてきたのです。

ちょうど新型コロナウイルスによってテレワークが進んでいる中で、ボクの経験が企業の方々にお役に立てると考えています。また、監査法人を辞めて独立しているため、単なる助言ではなく、決算資料のあるべき姿を一緒に創り上げていくこともできます。

  • 決算資料を見直したいけど、どうしたらいいか分からない
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