Business model

IPOへの一番の近道

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こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。

KAM(監査上の主要な検討事項)は、財務諸表監査に関連するもの。その財務諸表監査は、財務諸表に関連するもの。その財務諸表は、企業の活動を表すもの。となると、企業が何に取り組んでいるかの視点が欠かせません。

特にIPOを目指そうとしている企業では、なおさらのこと。企業がたどる成長の道、つまり、成長度合いに応じて何をすべきかを理解していなければダメ。人だって、小学校に入ったときには読み書きから始めるように、企業も対応すべき事項には順番があるからです。

そんなことを改めて伝えていた人に出会ったので、今日はそれをシェアしますね。

IPO会計監査フォーラム

2020年11月30日に、JICPA(日本公認会計士協会)が主催する「IPO会計監査フォーラム」がオンライン開催されました。「IPO難民」という言葉があるように、IPOを目指そうにもIPOのための監査を引き受けてくれる監査法人が少なくなっていることが社会的な問題となっていました。

事実、2018年12月に、金融庁に「株式新規上場(IPO)に係る監査事務所の選任等に関する連絡協議会」が設置されるほど。3回の会議の結果、2020年3月に検討結果が公表されました。

IPOを目指す企業に対して、質の高い監査が提供される環境を整備すべく、監査法人、証券会社、ベンチャーキャピタル、取引所などの関係者に対して期待される取り組みが示されました。それを受けて、JICPAによるIPO支援策が検討されます。その結果や状況を披露する場が、「IPO会計監査フォーラム」というワケです。

ビジネスに寄り添ったIPO準備の順番

このフォーラムで、「IPOの現状と成長に向けての提言」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。ここに、証券会社の立場として、野村證券株式会社の公開引受部長サンがお話しされました。

その内容が、もう、納得の嵐でしたよ。というのも、その部長サンがお話しされていた内容が、ボクの解釈では、IPOを目指すにも順番があるよ、ということだったから。

IPOを目指すときに、監査法人や証券会社などに業務を依頼すると、管理業務の負担が重くなります。十分な収益や利益がなければ、管理コストがバカにならない。だから、まずは事業拡大があってのIPO準備だよね、と簡潔に説明されていました。

企業の成長度合いに応じた重点項目

ビジネスの最初のステージは、収益や利益を獲得できる状態にすること。入ってくるマネーがなければ、ビジネスを継続させることができないから。そこで、多くの場合、このステージでは、売上規模を大きくしていくことが最も重要です。

具体的な売上高は、識者によって異なります。ただ、売上が不安定であったり、売上はあっても利益が不十分であったりすると、IPOの道のりは長くなります。

ただし、社会的なインパクトの大きなビジネスの場合は、話が別。新しいビジネスモデルやテクノロジーなどによって、大きなマネーを企業に投入することで、一気に市場を獲りに行くこともあるから。ちまちまビジネスを行っていくよりも、スピード重視で展開していくことが適切なケースもあります。ただ、すべての企業がこれに該当するものではありません。

おそらくは、そういう趣旨のことを公開引受部長サンがお話しされようとしていたと考えています。つまりは、まだIPO準備が早い企業も存在している、ってこと。時間にして2分もなかったかもしれませんが、その話が一番印象に残りました。

IPOを思い立ったときに活用したいリスト

そこで、IPOを目指そうとしている経営者は、自社がどういうステージにいるのか、IPO準備に進むことが適切なのかどうかについてアドバイスしてくれる専門家が必要です。そういう意味でも、今回、JICPAが打ち出したリスト「IPO支援に関わる独立開業の公認会計士名簿」を活用したいところ。

ボクも登録している最中です。掲載された内容に照らして、自社に合ったアドバイザーを見つけてください。それが、IPOへの一番の近道だと考えています。

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