Accounting

ビジネスモデル関連の機関誌に、記事が掲載されました

もしも、会計士が、ビジネスモデルを探求する組織の機関誌に登場したら。そんな状況が生まれました。

一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会、通称「BMIA」が発行する「クオータリーレポート(四半期活動報告)」に、ボクの記事が掲載されています。

BMIAとは、2014年7月に設立された組織。ビジネスモデル思考の普及啓発を行い、また、イノベーションの最前線の実践知を伝えていくことを使命としています。

このBMIAのアドバイザーには、今やビジネスモデルの世界標準ツールとなった「ビジネスモデル・キャンバス」を開発したアレックス・オスターワルダー氏とイヴ・ピニュール氏も名を連ねています。つまりは、ビジネスモデル・キャンバスを語る本流なのです。

 

四半期ごとの活動報告書

BMIAはかなり活発的なため、機関誌も四半期ごとにリリースされています。2021年3月9日に発刊されたのが、「Quarterly Report vol.14」。

今回のレポートは、全1ページにわたっています。関連書籍の解説や、イベントのリポート、認定コンサルタントや会員の紹介など、2020年10月から12月にかけての活動が収録されています。

3ヶ月という短い時間軸において組織の活動が盛んであり、また、四半期ごとにその報告が行われています。ビジネスモデルやイノベーションのみならず、コミュニティ運営としても学びが得られます。こういう組織は少ないのではないでしょうか。

 

ビジネスモデルと財務の関係

そんな活動満載のクオータリーレポートで、丸々1ページを割いて紹介されているのが、「『ダイアローグ・ディスクロージャー』出版記念イベント」の記事です。これは、2020年11月6日に、ボクの本が出版となったことから企画されたライブ配信のイベント。以前のブログ記事「【無料で視聴】ダイアローグ・ディスクロージャー出版記念イベント」でもお話ししたものです。

 

「なぜ、財務報告がビジネスモデルの組織で?」と不思議に思われるかもしれません。ボクも最初、依頼を受けたときには、ピンと来てませんでした。

しかし、ビジネスモデル・キャンバスの9つの要素の中には、「収入」と「コスト」が含まれています。持続可能な事業活動を行っていくには、資金の出よりも、入りのほうが多くなくてはならない。財務を抜きに、ビジネスモデルは語れないのです。

だからこそ、BMIAの理事の方が、こうした企画を立てたのだと理解しています。

 

記述情報の充実に欠かせないビジネスモデル

著者が自身の出版記念イベントについてリポートするからには、ただ当日の内容をなぞるだけでは意味がありません。それなら、他の方でも書くことができます。なので、当日のお話しに加えて、その背景についてより丁寧に説明することとしました。

このときに気をつけたのは、紙面の都合上800字程度という短い文字数の中で、財務という管理サイドよりは経営企画といった事業サイドの方々が多い読者に、財務報告とビジネスモデルの関係を理解してもらうこと。

具体的には、有価証券報告書における記述情報の充実に関する改正にあたって、ビジネスモデルを説明することが話題になっていたこと。経営者が何をみつめ、どう動き、どこにむかっていくのかを語るには、ビジネスモデルが欠かせないからです。そんな話を書きましたので、機会があれば、ご確認ください。

 

ビジネスモデル・キャンバスで語ろう

ビジネスモデルについて社内で議論するときに、今、語っているビジネスモデルが共有化されていなければ、話が噛み合いません。誰かは商流のことだけ、別の誰かはマーケティングのことだけ、他の誰かは業務プロセスに関心があり、また別の誰かは採算にしか興味がない。そんな状態では、まとまる話もまとまりません。

そこで役立つのが、ビジネスモデル・キャンバス。たった一枚でビジネスモデルを描くツールのため、誰もが一望できます。何を検討すべきか、その事項についても自然と共有化されます。こうして共通認識が生まれるため、議論しやすくなります。

となると、ビジネスモデル・キャンバスに長けた人がいるなら、有価証券報告書の記述情報を充実させるのに役立つことがわかります。さて、あなたの会社に、ビジネスモデル・キャンバスの使い手はいらっしゃるでしょうか。

 

財務とビジネスモデルとをつなぐなら

たまたま、ボクは会計や監査に知見があります。また、BMIAで出版記念イベントを開催していただいたり、機関誌に投稿したりと、ビジネスモデルの世界でも露出があります。

このブログの「ビジネスモデル」カテゴリーでは、ビジネスモデル・キャンバスを踏まえた解説も行ってきています。そのため、記述情報の充実にお悩みなら、お役に立てます。

会社の規模や担当者の状況にもよりますが、2021年3月期の企業であっても、記述情報を充実させていくための進め方があります。取り組み次第で、その充実度は見るからに変えられます。それでもまだ、前期と同じような記述情報を続けますか。

     

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