Accounting

KAM早期適用のすべて

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。

2021年3月期のKAM(監査上の主要な検討事項)の強制適用事例が次々と登場しているため、すっかり影が薄くなってしまった早期適用事例。この全貌がついに明らかになりました。

そこで、その結果について、いち早くシェアしますね。

3月の月中が決算日の上場企業

以前のブログ記事「KAMの2021年2月期の早期適用と2021年3月期の強制適用」では、2021年2月期までのKAM早期適用事例についてお知らせしました。この時点で、事例がすべて出揃ったワケではありません。なぜなら、上場企業の中には、決算日を月末に設定していない会社もあるから。

ボクが調べたところ、2021年3月の月中を決算日としている企業は、17社。その内訳は、次のとおり。

  • ・2021年3月15日を決算日とする上場企業が、2社。
  • ・2021年3月20 日を決算日とする上場企業が、14社。
  • ・2021年3月25日を決算日とする上場企業が、1社。

決算日から3ヶ月以内に株主総会を開催し、また、有価証券報告書を提出することを踏まえると、2021年6月25日は、KAMの早期適用事例が出揃う計算になります。ところが、2021年3月25日を決算日とする1社が、有価証券報告書を2021年6月22日に提出していたため、こうしてお知らせできることになりました。

KAM早期適用の全事例

2021年3月の月中を決算日としている会社でKAMが早期適用された事例の有無について、上場企業は今、説明したように1社1社をチェックしました。また、非上場企業については、EDINETから監査報告書にKAMを報告している企業からチェックしました。

その結果は、ゼロ。3月の月中が決算日の企業では、上場も非上場も、KAMは早期適用されていませんでした。

そのため、KAMの早期適用の全事例は、2021年2月期までの状態と変わらず、57社となりました。このうち、上場企業が53社、非上場企業が4社です。

月刊誌『ダイヤモンドZAi 2021年8月号』の別冊付録によると、上場企業の数は3,809社とすると、適用割合は1.39%。新型コロナウイルス感染症の影響を受けたこともあるのでしょうが、極めて低い結果となりました。

KAM早期適用事例を総括するセミナー

こうしてKAMの早期適用の事例が、すべて出揃いました。この早期適用事例について、一度、総括しておいたほうが良い。もちろん、企業の対応という目線で。それが、2021年3月期からのKAM強制適用にも役立つハズだから。

というワケで、来月、KAMについてお話しする機会があります。ボクの持ち時間は60分と短めのセミナーですが、主催者の計らいで、なんと「無料」で受講できます。ボクのセミナーは有料が基本のため、お試し受講する絶好のチャンス。ただし、定員が50名と限られているため、お席を早く確保しなければ受講できません。

近々に主催者側から告知されるようなので、このブログでも紹介できればと考えています。ひとまず、2021年7月21日(水)14時30分からのご予定を空けて、お待ちください。Zoomセミナーのため、移動の時間はかかりませんよ。

P.S.

「セミナーが待ちきれない」というときには、拙著『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』で論点を振り返ってみることをオススメします。

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