Accounting

企業不祥事が起きるかどうかは、コーポレートガバナンス報告書を見よ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

もしも、コーポレートガバナンス報告書から、企業不祥事の端緒がつかめるとしたら。これ、案外、面白い分析かもしれません。

先日、JICPAのEラーニングを受講していました。テーマは、「取締役会評価の実際と課題」と、コーポレートガバナンス・コード関連のもの。

講師は、ボードルーム・レビュー・ジャパン株式会社の代表取締役であり、また、ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社のマネージング・ディレクターでもある高山与志子サン。なんでも、以前の同テーマの研修が好評だったために、2021年12月にアップデート版として開催されたようです。

その中で、取締役会評価と企業不祥事とする説明がありました。ボクの記憶とメモが正しければ、不祥事を起こした企業における取締役会の実効性評価は、質問やアンケートにとどまっている、ということ。

ここからの説明の注意事項

ひとつ、言い訳。本来なら、記憶とメモに頼らず、Eラーニングの該当箇所をもう一度確認したうえで、ブログで説明すべきでしょう。しかし、JICPAのEラーニングは不正受講対策が強化されるがあまり、早送りもスキップもできない仕様。

1つの講義が15分や20分単位で分割されています。そのため、ある時間帯を復習したくても、もう一度、15分から20分、聞いていなければなりません。早戻しもできないことから、10秒戻りたい、ということもできません。復習の環境整備に期待したいところ。

なので、記憶とメモに頼った内容を共有しますね。

不祥事が起きた企業における、取締役会の実効性評価の手法

取締役会の実効性評価の手法には、質問、インタビュー、取締役会におけるディスカッションの3つが挙げられます。特に第三者評価を行う際には、新しい知見が得られやすいため、インタビューの実施が勧められていました。

反対にいえば、質問やアンケートといった手法は手間がかからない分、実施しやすい面があります。ただし、深みがあるかどうかは工夫次第でしょう。

そのためか、不祥事を起こした企業では、取締役会の実効性評価の手法が質問やアンケートにとどまっている、というのです。ボクの記憶とメモでは、そうなっています。間違っていたら、ごめんなさい。

調査結果

で、調べてみました。来月の2022年3月に、不正対応に関するセミナーを行うため、そこで用いた3つの事例で、取締役会の実効性評価の手法を確かめたのです。

その結果、2社は、質問やアンケートにとどまっていました。もう1社は、実効性評価が実施されていませんでした。

さらに、ここ最近、話題になっている会計不正の事例でも調べてみたところ、やはり、実効性評価の手法は、アンケートでした。もちろん、サンプル数が少なすぎるため、これで全体を結論づけることはできませんが、それでも興味深い結果です。

因果関係を考えてみると

おそらくは、取締役会の実効性評価について、自主的かつ深く実施する企業では、経営者のそうした意識がガバナンスの状況に現れるのでしょうね、きっと。もともとイギリスやアメリカの企業は、1990年代から自主的な取組みとして実施されていたようですから。

反対に、コーポレートガバナンス・コードで求められているから実施する、といった姿勢では、ガバナンスが心配な面があります。「実施したい」ではなく、「実施しないといけなそうだから」では、そういう姿勢が社内に伝わるものと推測されます。

これ、とても興味深い指摘ですね。ちょっと、自身の分析に取り入れてみようかと。来月の不正対応のセミナーでも説明を加えようかどうか、検討中。でも、今の想定でも持ち時間目一杯だから、どうしよう。

そうそう、実は、KAMでも、「不適切な会計処理」との関係について、仮説を立てています。こちらについては、順次、検証を進めるつもり。めぼしい調査結果が得られたら、どこかで発表しますね。

 

P.S.

高山与志子サンは、取締役会評価の本を書かれていますね。タイトルはスバリ、『取締役会評価のすべて』。その第5章には、「5.2 取締役会評価と企業不祥事」の節が設けられています。これはチェックしたくなりますね。

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