財務諸表において、投資家を守るための気候関連開示の強化策が提案されていたことをご存知でしょうか。
気候変動への対応が企業に求められる中、グリーンウォッシュの手口はますます巧妙化しています。投資家は、企業の気候関連コミットメントとその実態の乖離に目を光らせています。
前回の特別記事「温室効果ガス排出削減コミットメント、IFRSが会計基準の解釈を示す」では、IFRS解釈指針委員会による「気候関連のコミットメント(IAS第37号)」に関するアジェンダ決定を解説しました。実は、話はここで終わりません。なぜなら、この暫定版に対するコメント募集の中に、経営者の判断プロセスの透明性を確保するための開示が提案されていたからです。最終版のアジェンダ決定には反映されなかったものの、今後の開示実務に影響を与える可能性は否定できません。
そこで、今回の特別記事では、グリーンウォッシュを見抜くための開示提案について紹介していきます。企業と投資家の両者にとって極めて重要なテーマです。その目次は次のとおりです。
- 気候関連コミットメントの「有用な開示」提案、投資家保護を後押し
- 引当金計上の有無だけでは不十分
- グリーンウォッシュ企業を見抜く開示提案
- 企業の気候目標、先送りの罠に要注意
- まとめ
これを読むことで、投資家サイドからの気候関連の企業開示における最新の動向を把握できます。また、その開示提案の内容はもちろんのこと、それがどのような影響を与えるかまで紐解きます。さらに、グリーンウォッシュの6分類に加えて、開示提案との関係も理解できます。
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