FSFD

「チェックリスト病」から抜け出す処方箋──適用基準の構造を読む力

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

2025年3月、日本初となるサステナビリティ開示基準が姿を現しました。これまでの開示慣行の延長線上では太刀打ちできない、新たな「開示の作法」がここに求められています。その作法をルールとして明文化したのが、サステナビリティ開示ユニバーサル基準「サステナビリティ開示基準の適用」、いわゆる「適用基準」ですね。

これはいわば、開示の基本設計図にあたる「総則」のような存在ですが、油断してはいけませんよ。単なるイントロと思って読み始めると、いきなり情報量の濁流に飲み込まれる羽目になります。何しろ、第一階層の見出しだけで22項目ですからね。中でも実質的な要件が含まれる項目は18に及びます。

最大の問題は、その「並び」にあります。それぞれの見出しが並列されているため、どれが起点で、どれが帰着点なのかが見えない構成なのです。まるで、地図のないまま登山に出発させられるようなものですよ。それでいて、道中には岩場や急斜面もあるわけですから、実務の現場が混乱するのも無理はないでしょう。

なぜこうなってしまったのか。その答えは「整合性のための犠牲」にあるのです。

 

『リースの数だけ駆け抜けて』第15話「誤解の夜」前のページ

『リースの数だけ駆け抜けて』第16話「開かないファイル」次のページ

関連記事

  1. FSFD

    サステナビリティ開示:準拠表明の真実と戦略的意義

    SSBJ基準への準拠表明が、サステナビリティ開示戦略において重要な議…

  2. FSFD

    財務諸表の気候リスクの透明化を図る、IASB会計基準の新設例

    IASBの気候関連のプロジェクトから、会計基準の設例に関する公開草案…

  3. FSFD

    2025年1月ISSB会議が注目するGICS使用要件

    ISSBは、IFRS S2基準の修正に向けた議論を本格化させています…

  4. FSFD

    開かれた制度、固定される実務――WG報告書が内包する保証制度の逆説

     サステナビリティ情報の保証制度をめぐる議論では、「誰が保証…

  5. FSFD

    グローバル・ベースラインの空洞化――SSBJロケーション基準提案が投げかける根源的問い

     企業は、SSBJによるサステナビリティ開示基準に沿ってさえ…

  6. FSFD

    ついに決定!SSBJ基準、2025年3月上旬公表へ

    とうとう、日本のサステナビリティ開示基準が公表となります。2025年…

  1. FSFD

    シングル・マテリアリティという名の罠:ISSB・SSBJ基準に隠された二重構造の…
  2. Accounting

    内部監査実務|会計不正リスクの見つけ方
  3. Accounting

    こだわりのKAMコード
  4. FSFD

    サステナビリティ開示基準の適用によるコスト
  5. Accounting

    見積りの仮定で検討すべきは、「合理性」か「適切性」か
PAGE TOP