今、日本で一番、売れる本をたくさん作っている人。あの落合陽一サンにそう言わしめるのは、幻冬舎で編集者をしている箕輪厚介サン。
彼が立ち上げたレーベル「NewsPicks Book」からは、毎月一冊、ビジネス書が発刊されています。落合陽一サンの『日本再興戦略』や堀江貴文サンの『多動力』、佐藤航陽サンの『お金2.0』、前田裕二サンの『人生の勝算』『メモの魔力』(いずれも、幻冬舎)など、ベストセラーを連発。
ご自身も、『死ぬこと以外かすり傷』という著書を発刊して、ベストセラーに。そうそう、この本って、マガジンハウスから発行されているんですよね。所属されている幻冬舎ではない。会計業界でいえば、ボクが、別の監査法人で会計の解説をしているようなもの。そんな点も面白い。
ベストセラーを連発している箕輪厚介サンは、ものすごいスピードで本を作っています。通常は6ヶ月以上かけて本を作るところ、NewsPicks Bookは3ヶ月程度で作り上げていくそうで。興味深いのは、そんなペースに著者も合わせていくというのです。
実際、佐藤航陽サンの『お金2.0』の製作期間は、3ヶ月ほど。そのおかげで、仮想通貨で盛り上がっている最中のタイミングで発売できたとのこと。著者からは、「他の出版社の5倍速かった」と言われたようです。
また、前田裕二サンの『人生の勝算』に至っては、箕輪サンは「3日で書け」と言ったそうです。朝まで二人で徹夜した話も紹介されています。
ボクも著者の端くれとして、そこまでのスピードで本を書き上げられる秘訣に関心を持ちました。3ヶ月のペースで本を書けるなら、年に4冊の本を出せる計算です。そんな想いで『死ぬこと以外かすり傷』を読み進めていくと、こんな記述を見つけました。
僕が作っている本は基本、インタビューをベースに最初の原稿に起こす。
そうか、著者はライティングしないのか。自分の手でパソコンに向かってキーパンチすることを前提にすると、とても、そんなペースでの執筆は難しい。ボクの執筆のスタイルだと、キーパンチだけなら3ヶ月でも間に合いそうですが、構想から含めるとチト厳しい。
でも、インタビューのような手法を使えば、キーパンチしなくて済むため、短期間にできそう。国際エコノミストの長谷川慶太郎サンは、『長谷川慶太郎の 心身寿命は歩いて延ばす』(宝島社)の中で、口述筆記によって本を書くと話していたのを記憶しています。こうした方法では、著者とは別に、書き起こしをしてくれる人が必要になります。ただ、コストがかかります。
そこで今、注目しているのが、音声入力。最近、勝間和代サンが音声入力への試みをシェアしてくれています。確かに、ボクも音声入力をたまに試すときには、同じ文字数を入力するのに、キーパンチよりもはるかに短い時間で終わらせることができます。
インタビュー形式や口述筆記が採れない場合に、著者にとって時間がかかるのはキーパンチ。いくら速く打てても、頭の中で考えるスピードよりも遅いのは事実。まだ、話すスピードのほうがオンタイムで頭の中のものをアウトプットできます。
やっぱ、音声入力かな。あとは、話している様子が聞かれない環境をどうするか。貸し会議室を借りるか、カラオケルームで話すか。でも、一番理想的なのは、自宅。ちょっと、音声入力の環境を考えてみよっと。