2019年4月1日、新しい元号が発表されました。その名も「令和」(れいわ)。ボクが真っ先に行ったのは、この言葉の音がもつ意味の分析。
音が心理的な影響を与えることを活用したマーケティングがあります。ことばの感性を研究されている黒川伊保子サンの『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』(新潮社)には、具体的な製品名の音が与えるイメージが解説されています。発生するときに自身の中で音がどう響くかという観点から分析しています。
また、画家であり作家でもある、はせくらみゆきサンの「おとひめ」もありますね。これは、五十音のひとつひとつが何を意味しているのかを解説したもの。日本でも英語でも同じように、音には意味があるといいます。書籍だと、舩井勝仁サンとの共著となる『チェンジ・マネー お金の価値を変えるのは日本だ!』(きれい・ねっと)に収録されていますね。
これらのように、音は人の心や印象に影響を与えるとする分野があります。そもそも音とは波動であり、また、人も量子までいけば波動の塊のため、これらがぶつかることで何かしらの作用があるのは当たり前。それをパターンとしたところにボクは興味を持っています。
で、新しい元号を音という観点で分析すると、どうなるか。「おとひめ」を用いてボクなりに解釈すると、次のとおり。
「外に出た光が調和する」
今の場所から飛び出ていく光が行き着く先で、それぞれがひとつになっていく様子。あるいは、今の場所から去っていった状態にあるものの、その行き先を指し示すことで、皆が集まって手を取り合う様子。
今の時代の文脈に照らせば、失われた何十年と言われ続けてきた平成が終わるとき、ひとつのビジョンを指すリーダーが日本をまとめ上げていく様子です。今回の「令和」は、従来の漢籍を典拠とするのではなく、日本で記された国書『万葉集』に由来する元号。すると、日本古来のものがきっかけとなって、新しい何かが生まれていくと期待されます。
これって、ワークショップ型のセミナーにおけるファシリテーターのようですね。現状に不満があり、また、現状を打破したい人たちがセミナーに集まっています。セミナーのゴールにありありと示すことで、その場のプロセスを導いていきます。セミナーの終了時には、参加した人たちが、そこから続く道のりの一歩を踏み出し、歩みだしていく。
そういう意味では、新しく始まる「令和」の時代とは、ファシリテーターに注目が集まり、かつ、ファシリテーターが活躍していく時代と考えることができます。そのファシリテーターは、ビジョナリーであり、ナビゲーターであり、チームビルダーでもあるのです。
実際、記者会見で安倍晋三首相は、新元号に次の意味を込めたと話しています。
人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている。
ほら、新元号に込められた意味は、ファシリテーターの導きのもと、互いの意見を聞きながらの助け合い学習を通じて、自身の気づきを得ていくワークショップ型セミナーそのもの。新元号を体現するものは、ワークショップ型セミナーだったのです。
今後、ボクが取り組んでいくことに優しく背中を押してもらった感じがしました。この元号ともに、新しいチャレンジに取り組んでいく気持ちでいっぱい。
あなたは新元号の「音」から、一体、何を感じましたか。背中を押された何かについて、次に会ったときに、こっそり教えてくださいね。