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『SAVE THE CAT の法則で売れる小説を書く』からフィナーレを学ぶ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

実は今、悩んでいます。ある執筆で、最後のまとめ方がどうも上手くいかない。パーツは揃えているけれども、その構成をどうするかに光が見えないのです。

 取り掛かっている執筆は、「SAVE THE CAT の法則」に基づいて全体構成を考えています。この法則は、脚本家のブレイク・スナイダー氏が考案した、映画の脚本術。

 

 この法則によれば、どのような場面を、どのタイミングで、どのくらいの長さで伝えるかが明確に示されています。映画の脚本を想定したメソッドではあるものの、ボクはセミナーや執筆の構成に援用しています。

 その法則の場面のひとつに、「フィナーレ」があります。例えば、小説『ハリー・ポッターと賢者の石』だと、主人公のハリーと仲間が、クィレル先生と対峙するシーン。この小説の最後に盛り上がる箇所。

 このフィナーレの書き方は、「SAVE THE CAT の法則」では、「フィナーレ」と示されているだけ。もちろん、それは有益なアドバイスには違いありません。ただ、欲を言えば、この「フィナーレ」のシーンをもう少し分解できたら、言うことなし。

 

 そんな想いで、ある書店に久しぶりに立ち寄りました。実はこの書店、前にセミナーの構成で悩んでいたときに、この書店でヒントとなる脚本術の本にバッタリ出会ったことがあるのです。

 いわゆる、セレンディピティってやつ。ステキな偶然や予想外の発見を表す言葉。そんな偶然に期待しながら、そのときの映画関連本のコーナーに向かいます。

 

 しかし。

 

 残念ながら、そこに新しい出会いはありませんでした。興味深い本はあったものの、フィナーレのヒントは得られない。まあ、そう簡単に出会えちゃ、セレンディピティとは言えない。

 他のコーナーをぷらりと回っていたときに、古典の本棚に、あるキーワードが飛び込んできます。それはなんと、「SAVE THE CAT の法則」。

 その本は、小説家のジェシカ・ブロディ氏による『SAVE THE CAT の法則で売れる小説を書く』(フィルムアート社)です。映画の脚本術を小説に適用したもの。今、ボクが欲しかった内容、そのもの。

 

 早速、買って読んでみると、フィナーレの要素をさらに5つに分解しているじゃないですか。頭の中には、テレビ番組「ビフォーアフター」のナレーションのように、「何というセレンディピティでしょう」と流れましたよ。

 この本では、フィナーレを次の要素から成ると説明しています。

・チーム招集
・作戦実行
・高い塔でビックリ仰天
・真実を掘り当てる
・新しい作戦を実行

 ボクが抱えている執筆で、すでに揃えているパーツをこれに当てはめてみます。流石の法則。綺麗に流れていくじゃありませんか。少し足りないパーツも見えたので、その収集をすれば良い。うん、仕上がりが見えてきました。

 

 こんなセレンディピティを得られたのは、その書店がたまにしか訪れないから。普段、通う書店だと、その書店のチョイスにしか触れられない。新しい視点が入りにくい。加えて、同じコーナーにしか寄らない。これでは、見える世界が固定されてしまいます。

 ところが、たまに行く書店では、チョイスも違えばコーナーも違う。そのため、新しい視点が得られやすいのです。

 何か解決したいことがあるなら、いつもとは違う書店に足を運んでみませんか。せっかくの夏休みですから、少し遠出しても良いかもしれません。お試しあれ。

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