自身が扱う製品やサービスが、もっと売れるようになりたい。そう思うビジネスパーソンは決して少なくないでしょう。たとえ経営者ではなくても、リーダー層であれば、自信のある製品やサービスを今以上に展開したいと考えているハズ。
そこで、扱う製品やサービスの品質を高めることに夢中になってしまうことがあります。もっと使いやすくなれば売れるはずだ。もっと機能があれば手にとってもらえるはずだ。そう考えて、スペックを高めることにフォーカスしがち。
しかし、最近、強く思うのが、広く目につくことのほうが大事。機能を高めている時間があるなら、ひとりでも多くの人に知ってもらう活動をすべき。
以前のブログ記事「『読みたいことを、書けばいい。』から学ぶ」で紹介したとおり、扱う製品やサービスが認知されなければ、購買に至らない。そのためには、マスメディアをはじめとして多くの人の目に触れる場所に“置きに行く”ことが必要なんです。
マーケティング的に言えば、見込み客をいかに集めるか。まだ購買に至っていないものの、あなたが提供する製品やサービスに興味がある人を今以上に集めるのです。
というのも、そこから先は確率論だから。見込み客から、購入に至った「既存客」へと至るのは、一定割合。また、既存客から、その後もずっと買い続けてくれる「継続客」へと至るのも、一定割合。つまり、母集団が大きくなるほどに、既存客や継続客が増える計算になるのです。
もちろん、その「一定割合」とは、必ずしも一定というものではなく、一定の幅に収斂していくことがあるでしょう。また、こちらからの働きかけによって、その割合を増やせることもあれば、減ってしまうこともある。しかし、割合である以上、既存客や継続客は母集団によって大きく左右されるのは間違いない。
そこで、最初の母集団となる見込み客を増やすことが、ビジネスにとってインパクトのある話となります。では、どうやって、製品やサービスを不特定多数の人たちの前に“置きに行く”か。ここに、2つの方法が挙げられます。
1つ目の方法とは、広告。製品やサービスを認知してもらえるように宣伝すること。ネット媒体で行うこともあれば、紙媒体で行うこともある。これらを組み合わせることも選択肢としてあります。
2つ目の方法とは、あなた自身が有名になること。あなた自身をブランディングしていくのです。この方法は、専門家や士業としてサービスを提供しているなら、とても有効。
例えば、2012年に、勝間和代サンが『「有名人になる」ということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という新書を発刊しています。この本では、彼女自身が有名人になろうとして取り組んだ方法が解説されています。その結果は、皆さん、ご承知のとおり。
ここで、次のような反論があるかもしれません。「いやいや、それは専門家だからでしょ。ウチのようにモノを扱っているときには、自分が有名になっても意味がない」と。
それは大きな間違い。箕輪厚介サンをご存知でしょうか。彼は、幻冬舎の編集者。数多くのビジネス書を手掛けた超有名人。
しかも、テレビに出演したり、オンラインサロンを運営したりと、ご本人の露出や活躍がすごい。そうした活動を通じて、多くの人を巻き込んでいきます。その結果、編集を手掛けるビジネス書がさらに売れる循環に入っていきます。
ちょうど今、発売されている雑誌『BRUTUS(ブルータス) 2019年9/15号No.900[真似のできない仕事術]』(マガジンハウス)には、箕輪厚介サンの仕事術が紹介されています。一言でいうと、「モノにサービスを乗っけて仕事をする」こと。こう言い切っています。
人はもはや機能や情報は買わない。ストーリーを買う。
となると、あなた自身が有名人になるためには、あなたを表すストーリーが必要だということ。機能を高めている時間があるなら、あなたのストーリーで人を惹き付けなければならないのです。一度、有名になると強いですよ、やっぱり。
そのためには、有名になることの覚悟が求められます。もしかすると、ここに潜在意識が強くブレーキをかけているのかもしれません。最後は、こうしたメンタルの部分に行き着きますね。あなたのビジネスやキャリアを成功させるために、メンタル面もフォローしなきゃ。