ブレーキランプを5回点滅させるのは、「ア・イ・シ・テ・ル」(愛してる)のサイン。これは、DREAMS COME TRUEサンの代表曲『未来予想図Ⅱ』の歌詞がきっかけで有名になったもの。
アベック、いや、カップルが一緒に過ごした後に、彼女を送った彼が、ブレーキランプを使って愛情を伝えるシーンです。ヴォーカルでもあり作詞も手掛けた吉田美和サンが、ラブふたりの光景をあまりにも印象的に描ききったのです。そうそう、バイクのヘルメットを5回ぶつけるのも、同じサイン。
これらの歌詞に影響を受けたボクらから上の世代は、こぞって真似してサインを送ったものです。それは本気であったり、あるいは、冗談で試してみたりと。
次第に、5回分の合図で何のサインを送ったのかを当てるクイズにも発展していきます。例えば、「ハ・ヤ・ク・ネ・ロ」(早く寝ろ)のように。それほどまでに社会現象となったものでした。
そんなせいか、ボクはある出来事があると、「これは何のサインなのか」と考えることがあります。
・この出来事は何を象徴しているのか。
・ここから何を学ぶべきなのか。
・自分は何をすべきか。
こんな風に、自分のビジネスやキャリアの一連の流れの中で、この出来事がどういう位置づけなのかについて、少しだけ考えるようにしています。もしかすると、そう考えることで、振り回されないようにしているのかもしれません。
というのも、人が遭遇した状況や事象は、そのものでは意味を持たない。意味を感じてしまうのは、その人が、状況や事象に対してポジティブな感情やネガティブな感情と勝手に結びつけるから。つまりは、人の心の作用なんです。
ある出来事が生じたときには、ひどく辛く感じたとします。しかし、時が経つに連れて、良い思い出だったと振り返ることができるものもあったでしょう。その反対も然り。もちろん、すべてがそうだとは言えないかもしれません。ただ、少しでも当てはまることがあったのなら、心の作用だと理解できるハズ。
とすれば、自分の都合の良いサインだと解釈するのが、お得。想像を絶することまで何かのサインだと無理に考える必要はありません。ただ、できる範囲でこれを実践できるなら、前向きに進むための第一歩を踏み出しやすくなることが期待できます。
ほら、身近なところだと、5回のトン・トン・トン・トン・トンを、「ハ・ヤ・ク・ネ・ロ」と受け取ると寂しいでしょ。でも、それを「ア・イ・シ・テ・ル」と解釈できたら、素敵じゃありませんか。
ということで、ボクから、「トン・トン・トン・トン・トン」。受け取ってくださいませ。