ラグビーワールドカップ。本当にすごいことになっています。なんと日本は、プールAで1位になっているのです。昨日の2019年9月28日に、日本代表がアイルランドのチームに勝ったことから、期待以上の展開になっています。
テレビでは、ラグビーの試合後の様子を映しています。その様子を見ると、サッカーのワールドカップよりも盛り上がっているんじゃないかと感じるほど。品の良いような盛り上がりのようなイメージがあります。
ホラ、渋谷でアホな行為がニュース番組で取り上げられることがない。もちろん、あちこちでハメを外した行為はあるものの、渋谷での無礼講的な振舞いはない。
日本人だけだと、あんなにアホなことになるのでしょうか。実際、テレビでインタビューを受けている限り、日本にリスペクトを感じている外国の方が多いような印象がありますよね。外国人でもルールがなっていない人もいますが、全体的にわきまえた人が多いような感じがします。
また、インタビューの返答を聞いていても、真っ当なものが多い。ラグビー独自の文化、ノーサイドに影響なのか、試合が終わった後には試合のことを忘れることが文化なのか功を奏しているのかも知れません。
でも、冷静になってみてください。1ヶ月前に、ここまでラグビーに盛り上がっていた人はどれだけいたでしょう。ラグビーの話を切り出す人が何人いたでしょう。ラグビーのルールに詳しくなっている人がここまでいたでしょうか。
今や、「ノックオン」なんてルールは、常識のようになっています。ボールを前に落としてしまう反則のこと。1ヶ月前に、ここまでノックオンと叫んでいる人はいなかった。
そう考えると、日本人とは順応性があると言えますよね。振り返ると、かつてのF1だったり、サッカーだったりと、そのときどきのイベントに躊躇なく盛り上がることができます。そもそも、四季のイベントに乗っかることが身体に染み付いているから、イベント性に飛びつくのかもしれません。
もしかすると、「お祭り騒ぎ」というのがキーワードかも。農耕民族として、豊作を願うイベントが多かったことは容易に想像がつく。また、DNA的にも豊作を祝うイベントには血が騒ぐ。それが転じて、豊作を祝うかどうかは問わず、お祭り騒ぎなら盛り上がってしまう体になっているのです。
これ、ビジネスとして活かすなら、イベントに関連付けることが顧客を動かす、ということ。クリスマス商戦やハロウィン商戦などが典型的。正月もお盆も、イベントがあれば、それに乗っかりやすい体質が日本人には出来ているのです。
イベントとして日本人に馴染みがないものとして、ハーフ・バースデーがあります。これは、生まれたての赤ちゃんに対して、1年の半分が経過した6ヶ月の段階でお祝いするもの。あなたは、ハーフ・バースデーを祝われたことがあるでしょうか。意外とないハズ。
これをビジネスに活かすなら、顧客の誕生日を知っている場合には、誕生日から半年が経過する頃に、ハーフ・バースデーのイベントをお知らせするのです。あなたは、もうすぐ誕生日から半年が過ぎます。これをハッピー・ハーフ・バースデーと呼ぶと教えるのです。
ハーフ・バースデーのお祝いに、特別はオファーを提示する。これがイベントを活かすマーケティングの手法のひとつ。ボクは、このオファーを受けたことがないくらい、日本企業はこれを活かしていない。こんなところにも、イベントにかこつける習慣がないことが容易に理解できます。
もしかすると、学生時代から、イベントにかこつけたデートの誘いをしていなかったことが原因かも。まあ、デートの当日になって、食事に行くお店を探しているようじゃ無理。
事前に、どんなイベントがあるか、そのイベントに関連したお店は何か、そのお店と二次会の動線は確保されているか。そうした、あらゆることをプロデュースできると、相手に喜ばれます。
今の若い子と話していると、そんなデートのプレゼンテーションすら出来ていないようなので、日本の行く末を心配してしまいます。そんなプレゼン能力を養うことなく、役職を重ねていくのですから。
ビジネスの世界では、ラグビーのスクラムから着想を得た方法論が提唱されています。アジャイルソフトウェア開発宣言の執筆者の一人と言われているジェフ・サザーランド氏の『スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術』(早川書房)では、タイトルのとおり、スクラムのようなプロジェクト管理法が提唱されています。
ラグビーを観戦して「わー」っと消費的に楽しむのも良いですが、ときにはビジネスにいかに活かすかという観点から観点してはいかがでしょうか。思わぬ気づきを得るかもしれませんよ。